短編2
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蠢くやつら 人体実験編

もうすぐ11月になろうかというのに、奴等はまだまだ活発に活動しております。

いっそのこと、退寮してしまおうかと最近つくづく考えております。

先日、寮で飼ってる二匹の犬のうちの一匹が、やたらとクシャミをしているので、風邪でも引いたのかなと顔を良く見てみますと、鼻水を垂らしてました。

いや、正確に申しますと鼻血混じりの鼻水でした。

犬の鼻血なんか初めて見ました。

でも何かおかしい。

良く観察してみると、犬の鼻の穴が黒い何かに塞がれてるようにも見えました。

奴等だ...

こりゃ苦しいだろうなぁ...

そんな私は、犬には申し訳ないないですが、割り箸を持ってきて、犬の鼻の穴を塞いでる塊をつまんで、グィっと引っ離しました。

余程痛かったのか、キャイ~ンと悲痛な叫びに似た鳴き声をあげて、寮敷地内へ走り去りました。

う~ん...また被害に遭わなければ良いが...

で部屋に戻る時に、素早く移動する、一匹の赤茶色い尺取り虫、即ちヤマビルを発見。

速攻で捕獲し(素手で)血を吸われないよう、指でグリグリ丸めながら持って帰りました。

奴等を持って帰った理由は、吸い付いてから吸血するまでの過程を、この目でしかと拝んでみたいと思いまして。

かなり勇気が要りますが、今の会社に勤めてる限り、奴等とは長い付き合いになりますので、本当の意味で免疫をつけようと思いまして。

部屋に戻るなり、早速捕獲したヤツを、なるべく痒みや痛みを感じないような位置に乗せてみると...水を得た魚のように這い上がり、脛と太ももの中間辺りで立ち止まるや、吸盤を思いっきり私の皮膚に食い込ませ、そして吸血し始めました。

不思議なんですよね。

全く痛くないんですわ。

やっぱり。

いや、ヤツが私の皮膚上で体勢を変えて、棒状に突っ立てさらにお尻を振るようにフリフリした瞬間、微かな鈍痛が....はい。

もう限界です。

ヤツが、最後まで吸血し終えるまで見届けたかったのですが、小心者の私としては、ここまでが限界です。

せっかく気分良く吸血している最中に申し訳なかったですが、ヤツに塩をマブしたら、またまた吐血して息絶えました。

いや...こんなのと後何年、共同生活しなきゃいけないのかな...

余談ですが、稀に敗血症になる可能性があるので皆様、絶対に真似をなさらないように(苦笑)吸血された直後、思いっきり血を絞り出したら、5時間ぐらいで止血出来ました。

長文失礼致しました。

また、『蠢くやつら』を読んでくれた方々には感謝します。

怖い話投稿:ホラーテラー 死霊のはらたいらさん  

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