中編3
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黒電話

大した話ではありませんが、実体験をひとつ。怖いと言うより、不思議な話です。

今から7〜8年前、僕が小学校高学年の頃の体験です。記憶が薄れ、所々曖昧になっていたり若干の創作が入っていたりしますが悪しからず。

その日、僕は家に友人を3〜4人招いて遊んでいました。大人は皆出かけていたので、結構騒いでいた気がします。

2時前後のことだったと思いますが、電話が鳴りました。僕等は2階、電話は1階。僕は面倒臭がりながらも、階段をトタトタ降りて行きました。

この電話というのがまた随分と古い黒電話なんです。ボタン式ではなくダイヤル式の。見たことが無い方も多いかも知れません。

…まあ、今後の展開とはほとんど関係の無い情報ですが。

で、僕はその黒電話の受話器をガチャリと外し、耳にあてがいました。

僕「はいもしもしKです」

電「※%#&*@☆¢◎」

僕はうわっナンダコレ、と叫んで受話器を顔から遠ざけました。受話器の向こうから聞こえたのは、意味不明の声。

変声機を通したような高い声で、無理矢理文字で表現するなら、「ぅいおあぅぇおぃ」みたいな、母音が連続したような音だった気がします。

聞き違いかと思ってもう一度受話器に耳をあててみましたが、

電「☆*%※☆◆♭∂★∮⊿」

僕は受話器を素早く戻すと、全速力で階段を駆け上がり、友人達に「変な電話があった!」と報告しました。

リアクションは覚えていませんが、そのあと普通に遊び始めたあたり、あんまり信じてもらえなかったのかも知れません。

数分後、また電話が鳴りました。

電話に出るのは怖かったのですが、ほうって置くわけにも行かず、友人一人について来てもらいました。

僕「はい」

電「◯♪♯∫※◎%」

心の準備ができていたとは言えギョっとして、受話器を友人に渡しました。

友人は受話器を受けてると耳にあて、さっきの僕と似たようなリアクションをとって電話を切りました。

今度は二人で階段を駆け上がり、2階に残っていたメンバ-に話しました。

2回目、しかも今度は二人とあって、みんな信じてくれ、何だろうと話し合いました。

とは言え、怪音声の正体など解るはずもありません。

そうこうしているうちに3度目の電話。今度は全員で行きました。

受話器を取ると、聞こえてくるのはやはりあの怪音声。皆でウワ-だのコエ-だの騒いで、例によって階段を駆け上がりました。

そのあとも何度か電話は鳴ったのですが、さすがに無視していました。

そんな状態で独りにされるのだけは勘弁だったので、親が帰って来るまでは皆に居てもらいました。

その夜、夕飯時に親に話したのですが、「あーそー」くらいでろくに取り合ってもらえなかった記憶があります。

電話が壊れている、という可能性も、夜には電話が普通に使えていたことで無くなりました。

で、次の日のこと。

学校に行くなり、一人の友人に「何なんだよ昨日の電話」と聞かれました。

そいつは前の日は来ていなかったので、誰かに聞いたのかと思いましたが、曰く、

昨日遊ぼうと思ってお前の家に電話したが、出るなり「うわっ」だのと驚かれて切られた。

自分も驚いたが、取りあえず番号を確認してもう一度かけ直したところ、同じような反応をされてまた切られた。

何なんだと頭に来たが、少し間を開けて、またかけ直してみた。やっぱりギャ-ギャ-騒がれて切られる。

で、そこから後は何度かけても出ない。

ふざけんなこのヤロ-、と…。

つまり、件の電話はそいつからので、そいつは普通に話していたのにこちらには怪音声に変換されて届いて、こちらの声はそのまま伝わっていた、ということらしいです。

事情を話して前日来ていたメンバ-とも一緒に色々考えてみましたが、僕の家の電話もそいつの家のも今は正常にとあっては、原因は皆目不明。

結局、今も解らないままです。

あれから随分経ちますが、僕もあいつも皆も、呪われたり取り憑かれたりすることなく暮らしています。多分。

因みにあの黒電話も、実家でバリバリジリジリ現役で働いています。

長文・乱文失礼しました。ここまで読んで下さりありがとうございます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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