短編2
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聞こえない

今年の夏休み、私は進学で引っ越して行った友達の家に遊びに行きました。

電車で2時間弱。

そこまで遠くはないのですが、普段電車に乗らないこともあってか「なんだか疲れたなぁ」と思いながら友達の待つ駅のホームに降りました。

駅に出ると友達が車で迎えに来てくれていて さっそく乗り込んで出発。

発進してすぐ、車から先ほど降りたホームが見えたのですが

チラッと見ただけで何か不可解なものがいたのがわかってすぐに目をそらしました。

白いワンピースを着た、恐らく女性がのたうち回っているのが見えたのです

なぜ「恐らく」かというと

首がなかったので実際性別は定かでなかったからです

霊感など全くないので、こんな体験をしたのは初めてであまりに恐ろしく、見なかったことにしようと思い、友達にも言わずにその場は乗りきりました。

友達の家でガールズトークに夢中になっていると段々と駅で見たことを忘れていました。

その日は友達の家に泊まり、次の日 帰るためまた車で送ってもらっているときに思い出して少しドキっとしましたが

車からホームを見てもなにもいなかったので「気のせいだったんだ」と考えました

しかし

駅に着き、友達に別れをつげ そのホームで電車を待っているときのことです。

何かがゴツッと足に当たりました。

下を向いてみると

髪の長い女性の首が転がっているのです

カッと見開かれた目と、しっかり目が合いました。

そして、その生首は必死に何かを叫んでいるのです。

でも、声は聞こえない

何を言っているのかはわかりません。

気絶寸前でしたが すぐに走って駅から出て、電話で友達を呼び戻しました。

事情を説明しても半信半疑でしたが

隣の駅まで送ってくれました。

あの女性は一体なにを訴えたかったのでしょうか。

気にならないと言ったら嘘になりますが

二度とあの場所には行きたくないです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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