短編1
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住みつくもの

霊や祟りのたぐいとは関係無いのですが、この間、本当に背筋が寒くなるものをみました。

私が住んでいるマンションの近くで、結構大きな火事がありました。

それは木造2階建ての一軒家で、老人が1人で住んでいたようです。

台所から出火し、消防車の到着が遅れたために、全焼に近く、ほとんど建物は骨だけの状態になってしまいましたが、幸いにも隣のアパートに本格的に延焼する前には消し止められたようです。

火事から一夜明け、暇だった私は現場を呑気に見物に行きました。

なるほど、隣のアパートは危機一髪といったところだったのでしょう、壁の一部が真っ黒になっています。

ところが、何だか変です。外壁の焦げが太陽の光を反射して光っている様に見えるんです。

よく見るとますますおかしい。

燃えた隣の家と接していない壁も黒くなっている部分があるのです。つながっていない、まだらな部分もあります。

私は近眼で、その時メガネを掛けていなかったので、よく見ようと少しだけ敷地内に入りました。

そして気づいたんです。

壁の焦げあとが動いている事に。アメーバのようにじわじわと。

それは昆虫の大群でした。ものすごい数の。

そう、あの虫が、焼けた家から逃げ出していたんです。

古い建物には想像を絶する量の生き物がすみ着いていると思い知った事件でした。

怖い話投稿:ホラーテラー Suuさん  

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