中編4
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爪[続き]

続きです。

A母に詳しく話を聞かれた後

「今から親戚のおじさんが来るから今日はどこにも行かないでね」と言われ僕等はマズったかなぁみたいな顔をして見合った。

僕は結構こういう話をサイトで見ているのでまさか自分がこういった体験をするとは正直思いもしなかった。

「ごめんください」と玄関から声が聞こえ、親戚のおじさんが到着した。

唐突に「君達見たんだってな」と言われ、見た奴と音しか聞いてない奴がいて、どういう状況だったかなどを詳しく話をした。

「じゃぁ見たのはAだけか」と言われAは頷いた。

「ハァ」とため息をつかれ、僕等は皆、脂汗をかいていた。

親戚のおじさんが

「まずあの家の事を話そう。

あの家はな簡単に言うと悪霊が住んでるんだよ。

五年前くらいにも遠くから来た人達が面白半分で入ってそのうちの一人が今も植物状態で入院している。

玄関のまわりに縄が張ってなかったか?」僕等は顔を見合わせた。

縄なんかなかったと思った。

するとCが

「そういえば暗くてわからなかったけど、入る前に何か引っ掛かった」と言った。

おじさんは

「結構太い縄だぞ。

引っ掛かったぐらいじゃないだろ」と声を少しあらげた。

Cはビクッとして

「たぶん引っ掛かったぐらいだったと思います」と言った。

するとおじさんが

「君達はあの家に着いた時にはもう既に狙われていたのかもな」と言った。

続いて「残念だが植物状態ならまだ助かるかもしれないが、実は私の息子もちょうどその頃友人とふざけて入って、今はこの世にはいない」それを聞いた瞬間僕等は全員カタカタと小刻みに震えて、とんでもないことをしてしまった事を実感した。

「音だけで見てないならたぶん大丈夫だが、見てしまったAがマズイ」とおじさんが言った瞬間A母が泣き出した。

そして「何か方法はないんでしょうか」と僕等は言ったが

「このあと私の知り合いの住職さんが来る。

もう着くからまっててくれ」と言われ、少したったら住職さんが来た。

僕等は皆で住職さんにしがみつき

「なんとか助けて下さい」と必死にしがみついた。

住職さんは「君達はとんでもないものに目をつけられてしまった。

普通なら見たその場で死ぬんだよ。

運がよかったとしか言えない。

」と言われた。

「君達が見たり音を聞いたりした物はその家に住んでいた家族が十年くらい前に連れてきた物なんだよ。

当時私は何とかその家族を助けてやりたいと思ったが、残念な事にそいつの念がつよすぎでその家族は皆亡くなった。

それからそこにそいつはいるから、建物自体も壊せなく、壊そうとしたがやはり駄目で仕方なく縄を張って閉じ込めておいたんだよ。

はっきり言ってやりようがないんだ」

と言われ、特にAは泣きじゃくりふさぎ込んでいた。

住職「しかし君達を見捨てたりはしない。

もうこのまま悪霊をほおっておく事もできないし、出来る事は全てやる」と強く言われ、肩を叩かれた。

Aがトイレに立って少し経った時トイレの方から、「アァー」と奇声が聞こえてきた。

Aが

「俺は死ぬ俺は死ぬ」と目の焦点が合っていない状態で叫んでいた。

それを見て、A母はパニックになってしまい、僕等で押さえていたら、住職さんが「急いで私の本堂に全員来なさい」と言い車に全員乗りお寺に急いで向かった。

お寺に着き本堂に入り、住職さんが真剣な顔付きで「今から悪霊を払う。

だから皆強い意思を持って、互いを信頼してくれ。

決して互いを恨むな」と言われた。

住職さんが念仏みたいなものを唱え初めて、僕等は互いの手をしっかりと握っていた。

Aは住職さんの前で横たわっている。

すると突然ズリズリとあの音が聞こえ物凄い寒気に襲われた。

僕等は全員手を震わせ、歯をガチガチと鳴らしていた。

目をつぶろうとしたが、なぜかつぶれない。

そしたらAのすぐそばにそいつはいた僕はとんでもない恐怖ともう死ぬんだという思いに押し潰されていた。

Cが「うわぁー俺は死ぬ俺は死ぬ」と叫び出した瞬間「しっかりしろ」とBがCを凄い声で怒鳴り付けた。

僕もその声で少し気を取り戻して、皆で手を強く握り合った。

そいつと目が会うとまた死に近づいていく気持ちに潰されそうになり、また手を握り合う、その繰り返しでもう何十時間にも感じていた。

ある時Aが「ウォェー」と叫んだ僕等は恐怖で手を震わせていたら住職さんが「もしも私に異変があった時は私を見捨ててA君を抱えてすぐに本堂から逃げなさい」と言われた。

もう僕等は半分パニックになっており、「はいっ」と怒鳴った。

それからどんだけの時間が経ったかわからなかったがAが突然「ウゥー」と意識を取り戻したと同時に住職さんが倒れた。

しばらくし沈黙が続き、突然住職さんが「皆で逃げなさい」と、かすれた声で言った。

僕等は泣きながら本堂を出てA母の待っている車までなんとかAを担いで行ってたら、同じような格好をした住職さんが来て、住職さんが中で突然倒れて、逃げなさいと言われたという事をパニックの中必死に伝えた。

そしたら僕達に「そこにいなさい。

絶対に中には入って来ないでください」と言われた。

それから二時間くらい経った時、さっきの住職さんが住職さんを担いで本堂から出てきた。

最初の住職さんに「君達ホントによく耐えた。

よく頑張ってくれた」と言われた瞬間僕等はまた泣き崩れた。

「私も君達がいなかったらこの住職さんがきてくれるまで持たずに君達を巻き込んで死んでいた。

本当にありがとう」と住職さんは言った。

詳しい話は明日するから今日はここで休みなさいと言われ、その日は意識が飛ぶように全員寝てしまいました。

長いですがすみません。

次で最後です。

怖い話投稿:ホラーテラー ひまわりさん  

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