短編2
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失踪

はじめまして。

初めての投稿で携帯からですが、すいません。

また、私自身の話ではなく、友人Aの家族に起こった実話で、霊的な話ではないのでご理解下さい。

私達の住む町は発電所や大きな会社などがあり、また、近年高速道路が町の中を走った事もあり、近隣の市町村から比べても比較的に裕福な町です。

当然、ほがらかな町には目立った事件や特有の地域もなく、いたって普通と言う言葉が似合う町に育ちました。

そんな環境の中A一家は、当時のこの辺りではめずらくアパート暮らしでした。

家族構成はお父さん、お母さん、Aと2歳年下の弟の4人家族でした。

家にも遊びに行った事がありますが、別にかわった所もない普通のアパートに普通の家族。

そんな家族に事件が起こります。

まず、小学五年生の時にお母さんが失踪しました。

家族に何も告げずに…。

いたって平凡な小学生の私達には衝撃的だったのを今でも覚えています。

警察があまり捜索に協力的ではなかった為に、私達の親や先生達が交代で散々捜し回りましたが、とうとうお母さんは見つかりませんでした。

お母さん不在のまま小学校を卒業しました。

そして、私の中でも、まわりの友達の中でも、その事件について風化していた中学校二年生の年でした。

今度は突然、お父さんがいなくなってしました。

中学生と小学生の子供をおいて…。

Aの絶望は計り知れなかっただろうと思います。

後から、電気が止まったり、ガスが止まったりと言う話を聞きました。

今になって笑い話として、水道だけは止まらなかったと言っていますが…。

どういうわけかはわかりませんが、祖父母や親戚もいない為、近隣のアパートの人達などから、差し入れもらったりしながら、生活していたみたいです。

高校も奨学金制度みたいなのを使って入って、アルバイトを夜中から朝までしながら、自分達の生活費や弟の授業料を稼いでいました。

…と、ここまでが非常に長ぁ〜い前置きなわけですが…。

Aが高校3年生の時、お母さんを見かけたそうです。

Aのアパートの隣の部屋に入って行くお母さんを…。

当然、押しかけて問い詰めたみたいですが。

我が子を何年もほったらかしにして、独り暮らしの男の人と呑気に、しかも、隣の部屋で普通に暮らしていたと言う事実にも恐怖ですが。

その後、見つかってもなお、何もなかったかの様に元の生活に戻って、我が子に一切干渉しないと言う母親に恐怖を覚えました。

また、Aはきっぱり自分達で生きて行くって言っていましたが、Aのその並々ならぬ覚悟と言うか、Aにそこまでさせてしまう残酷な現実に、私は恐怖を感じざるをおえませんでした。

以上です。

最後まで読んで頂いた方ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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