中編4
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あそこには…

確かに何かがいた…

俺は確かに見た

これは数年前の話だ…

俺はまだ中学でなんでもかんでもやる小僧というべき存在だった。

というのも所属していたサッカー部がなかなかの問題児が集まる部活であったからだ。

あの日俺はそのサッカー部の友達の家に泊まっていた。

サッカー部が7人くらいは泊まっていた。

夜になりゲームで遊んだりしていた。

そんな中一人が

「あのラブホの廃墟行かねぇ?笑」

と言い出した。

泊まった友達の家の近くにどうしてこんな場所に建てたのかと聞きたいくらい田んぼだの畑などの中に建っているラブホの廃墟の集落的なのがあった。

3、4つは隣り合っていた。

たまにその前を通ったことがあったがいかにもという雰囲気を醸し出している。

そのラブホにはいくつかの噂があって、俺も詳しくは知らなかったが、出るというのは確かな情報だった。

その場は盛り上がり、すぐに行くことになった。

この時やめておけばあんな経験はせずに済んだと後悔してる自分がいる…

ラブホにつきさっそく塀をよじ登り敷地内へ侵入した。

その時少し冷たく強い風が吹いた。

冬だったので寒いのは当たり前だったが、違う何かを感じた。

全身に鳥肌が立ち俺は少し後退りをしたが、友達はもう建物内に侵入しようとしていた。

中へ入って持ってきた懐中電灯でフロントを照らす。

そこには特に何もなくただどれだけ放置したんだというくらい散らかってぐちゃぐちゃだった。

「案外こぇぇな。」

一人が言った。

確かに何かを感じたが、今さら引き返しても面白くなかったので、次は2階へあがった。

部屋がいくつも並んでいて、中学の俺等にとってはラブホって言うだけでやけにテンションが上がっていた。

「こんな風になってんだな〜」

一人がそう言ったとき、みなが頷いた。

ある部屋が目についた。

その部屋にだけ何故かお札のようなものが貼ってあった。

なんだこれ?

とみんなで言っていると、一人が

「中へ入ろうぜ!!」

と言った。

俺はヤバい気しかしなかったがみんなはテンションがあがったまんまその中へ入っていった。

中へ入るとそこには、まだベッドが置かれていた。

だいぶ経ったあとらしく、ホコリがひどかった。

「おい!?なんだよこれ!!」急に友達の一人が言った。

そこにはベッドの側面にびっしり張られたお札があった。

みんなさっきまでのテンションはどこへ行ったと言わんばかりに唖然としていた。

そして室内に吹くはずのない冷たい風が頬を冷やした。

その時初めて全員がヤバいと感じたのだろう。

一人が

「そろそろ眠いし帰るか」と言った。

みんな何故か素直に受け入れ帰ろうと部屋を出ようとした瞬間…

すぐ後ろから

「ま……だ……帰れない…………でるな…………」

確かにそう聞こえた…

全員聞こえたのか、全員の足がピタリと止まった。

振り返りたくなかったが、振り返ってしまった…

「あれ…………??」

「お札が…………とれてる………。」

友人の一人が気付いた。

しかしその瞬間いきなり部屋のドアが閉まった!!

鍵はしまっていないのに何故か開かない…

完全にパニクる友人(俺も)

そして俺は見てしまった…

窓辺に立つ髪が異常に長くうつむきながら何かを言っている女を…。

俺はその場で失神するかと思った…

友人も見えたらしくなお一層パニックに陥る。

そんな中友人の一人がいきなり痙攣を起こし倒れた。すぐにかけよったが痙攣は収まらないっ。

と思ったその時、

いきなり白目を剥いたままそいつは喋り始めた。

最初は何を言ってるか聞き取れなかったが、だんだん聞き取れるようになってきて、聞き取れた瞬間全身にとてつもない鳥肌がたった。

「た………す……かる…………と………おも……う……な…………」

そいつは最後に笑った。

「おい!!どうなってんだよ!!」

「知るかそんなもん!!いいから早くドア開けろ!!」

みんな半泣きしながら喧嘩をし始めて、なにがなんだかわからなくなった…。

気が付けば窓辺にいた女が消えている…

どこいった!?

と思って友人の一人に言おうとした時

「あの女どこ…………」

女はその友人のすぐ後ろに立っていた…

というより顔を並べてこちらを見てニヤっと笑った。

俺はその瞬間に気を失った…

気付いたら外にいて友達が泣いてた…

「よかったぁ…」

「どうなったんだよ!?なんでここにいるんだ!?」

あのあと友人の一人が剥がれたお札をもとの位置に張り直したらしい…。

すぐにドアは開くようになり女も消え、俺をここまで運んでくれたらしい…

もううっすら明るくなりかけていて俺等は安心感で満たされた……

「早く出よう!」

そう言って塀をよじ登った時に冷たい風と共に聞こえたのは俺だけだったのかな……

「ま……てぇぇぇ…………でる………な…………」

確かにあの声だった…。

それ以来その場所にみんな近づかなくなった…。

今はその場所は取り壊されて工場になっている。

あのベッドはまだどこかにあるのか……?

読んでくれてありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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