短編2
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うしろにいる

一年ほど前の話。

僕はクラスの打ち上げで帰るのがすっかり遅くなってしまった。

確か11時くらいだったと思います。

親が心配すると思って急いで帰っていました。

帰りに車通りはまったくなく街灯もない暗くさみしい田んぼ道が1キロほどあります。

いつもなら音楽を聴きながらですが今日はそんな余裕もなく、普通に帰っていました。

月明かりしかない道におそらく女の人だろうと思われる人影が少し先に見えました。

その時はまったく気にも止めなかったのですが、だんだんその女の人に近づくにつれてなぜか寒気を感じました。

最初は勘違いと思いましたが、、、

あと15メートルといった辺りで変なことを考えてしまいました。。

《なんか幽霊っぽいなぁ》

そんなことを考えながら女の人の横を通り過ぎました。

真横を通ったのに、下をうつむいたまま髪の毛が長いせいもあって顔が見えませんでした…。

《なんか不気味だなぁ、本当に幽霊だったら…》

なんてありえないありえないって思いながら自転車を走らせていると…

「どうしてわかった…」

それは女の人の低い声でまるで耳元で囁かれるように僕の鼓膜を揺らした…

僕は急に鳥肌が立ち、一層スピードをあげて自転車をこぎました。

一生懸命こいでるのになんか重いぞ……

「あっ…………。」

僕は思わず声を出してしまった。

街灯の光で作られた僕と自転車の影…

《うしろにいる…。》

そこにははっきりと自転車の荷台に乗る何かの影が写し出されていた…。

すぐに何かわかった…。

長い髪の毛と思われる影が風になびいている…。

「まえ…………。」

その言葉は笑っていた。

記憶があるのはここまでだ…。

気付いたらなぜか病院のベッドにいた…。

聞いた話によると、あのあと前からきた車と正面衝突したらしく丸1日意識不明の重体だったらしい…。

運転手の話によれば僕が笑いながら車に突っ込んだらしい……。

いや、そんなはずはない…僕は確かに影を見ていた…

全治4ヶ月の怪我で骨は3本も折れていた。

医者が言うには生きているのは奇跡だという。

今ではすっかりよくなってまた学校へ自転車登校できるまでになった。

あれ以来その霊らしきものは見ていないが、あの道はもう通ってはいない…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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