恐ろしい夢を見た…
女に少年を紹介された
十七歳、綺麗な顔立ちをしている
美少年だ
女は言った
『一緒に食事をしましょう。ただ、今日は人は食べないから、安心して』
そうか…
それはよかった…
私は助かるのか…
眩暈がする…
気付くと大相撲中継をやっている
超満員で大歓声だ
だが、どうも違うようだ
土俵上にはビニールシートが引かれ、全身の皮を剥かれ綺麗な肌色を曝け出している女が、蛙のように足を広げ、横たわっている
女の陰部に指を出し入れしながら、カミソリでその回りをきれいに剃毛している男がいる
あの少年だ
目を見開き、口元には笑みを浮かべ、指を舐め、女の味を確かめている
尋常ならざる狂喜…
彼の顔にはそれがうかがえる…
そして、それを取り巻く観客の狂気が渦巻く…
ああ、少年はこれから女を喰うのだな…
褌姿の少年の全身は泥にまみれ傷だらけだ…
かなりの抵抗にあったのだろう…
少年は公衆の面前で、女を狩ったのだ…
ただ殺すのではなく、狩ったのだ…
闘って勝ち取ったのだ
喰らうために…
この少年はどんな生活を送ってきたのか、あの女は私の知っている女なのか、疑問に思うことはあったが、少年や観戦している人を批判する気は起きなかった…
ただただ、解体されていく女をじっと見つめていた…
そして、私は病室のベッドで目覚めた
2日間点滴だけで、空腹感に襲われているから、こんな夢を見たんだろう
私の心の奥底には、カニバリズムへの欲求が眠っているのかもしれない…
怖い話投稿:ホラーテラー 盲腸破裂で入院中さん
作者怖話