短編2
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病院の男の子

これはある芸人さんがテレビで話していた話です。

その芸人さんの友達(以下A)が足を骨折して入院していた時のこと。

Aさんの病室は、3階の個室でした。

その病院では、各階に喫煙所があるのですが、夜になると1階の喫煙所しか使ってはいけない決まりでした。

そして、Aさんは飲み物でも飲みながらタバコでも吸おうとエレベーターに向かいました。

そこで、2つあるエレベーターのうち片方は6階、もう片方は1階にとまっていました。

そして、ボタンを押すとなぜか6階にあるエレベーターが動きだしました。

ですが、Aさんは特に気にせずエレベーターに乗り、1階につきました。

そして、喫煙所に向かう途中の自販機で缶コーヒーを買い、おつりをポケットに入れ、喫煙所でまったりしていました。

コーヒーも飲み終わり、部屋に戻ろうとエレベーターに向かうとエレベーターはまた1階と6階にとまっていました。

こんな、夜中に自分以外にエレベーターを使うのかと驚きましたが、まぁ、たいして気にせずボタンを押しました。

すると、1階にエレベーターがとまっているのにも関わらず、何故か6階のエレベーターが動きだし、1階に着きました。

気味悪く、思いましたがそれに乗り3階のボタンを押しました。

ですが、そのエレベーターは3階を通り過ぎて6階にとまりました。

そして、扉が開き、真っ暗な廊下の向こうから笑い声が聞こえてきます。

Aさんはびっくりして、閉ボタンを連打しますがまったく反応しません。

すると、真っ暗な廊下の向こう側から白いシャツを来てる男の子が笑いながら走ってくるのが見えました。

Aさんは必死に閉ボタンを押しますが、反応しません。

その間にもどんどんエレベーターに男の子は走って迫ってきます。

そして、あと数メートルというところで扉が閉まり始めました。

ほっと肩を撫で下ろしたAさんでしたが、安心したのも束の間、その男の子がエレベーターの隙間に滑り込んできて、Aさんの腰を掴み、

[つかまえた]

そこでAさんは気を失ってしまいました。

気がつくと朝で、病院の自分のベッドで横になっていました。

なんだぁ~夢だったのかなどと思い安心して体を起こしました。

すると、チャリンと音がなりポケットの中にあの時のお釣りが入っていました。

あれは夢ではなかったそう核心したのも束の間、頭がズキズキとしてまだあの男の子の笑い声が聞こえる気がします。

辺りを見渡しますが、男の子の姿はありません。

もしかしたらと思い、恐る恐る布団の中を覗くと、

昨日の男の子が腰に手をまわし、ニヤリと笑いながらこちらを見ていました。

その後、Aさんは別の病院に移動したそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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