中編3
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群青の夢

黒死蝶の人です。またどうかよろしくお願いします。

*-*-*-*-*-*-*-*-

橋をわたっていた。

車が渡るような頑丈な橋じゃない。

木と紐で出来た人が通れる程度の心細い橋だ。

ふと、手にぬくもりを感じて後ろを見ると女の子がいた。

見たことがある気がしたけど、知らない子。

(表現が難しいが、どこにでもいそうな普通の子を見たときの感じ?)

でも繋いだ手はこちらを信じているかのように力強く握られていた。

安心と勇気を与えてくれる。そんな温もりを感じた。

空を見ると昼なのか群青の空。

都会のような灰色がかった空ではなく

綺麗な青

下を見るとそこには静かな流れの川があった。

どうして僕はここにいるのか

どうして僕がこの子と一緒にいるのか

どこから来たのか

どこへ行くのか

そもそもこれは僕自身の夢なのか

謎だらけ

そんな中僕とその子は静かに橋を渡っていく

夢はそこから始まった。

場面が飛んだ。

僕が見ることが出来るのは森の木々の間から見える群青の空だけ。

身体がうまく動かせないのだ。

だけど声は聞こえた。

「ここまで来たのは君の力。見えてる?立って・・・お願い。」

首だけ必死に動かした。

そこには女の子が座り込んでいた。

泣いている。

僕は静かに彼女に話しかける。

大丈夫だと。

僕は誰かもわからない女の子のために必死に身体を動かす。

もはや身体を動かすではなく身体を必死に操作する感じだ。

どれほどの時間がかかったのか覚えてない

僕はまた立ち上がることが出来た。

女の子は嬉しかったんだろう。僕に抱きつこうとしたのだが、少し微笑んで静かに手を差し出してきた。

「行こう」

僕はその温もりを感じる手を再びとった。

立ち上がることであたりを見ることができた。

森の中だ。

しかも山道。

大分歩いてきたのか下のほうを見たけれども同じような風景しか見えなかった。

逆に上のほうを見た。

奥のほうを見ると開けた場所がある。

何となくそこを目指していたのだと理解した。

隣にはちょっと心配そうな彼女の姿がある。

僕は静かに笑った

大丈夫、もう止まらないから

きっと大丈夫だから。

そう言って、頼りない僕の身体を前に進めた。

1歩2歩。

数えていたのは2桁まで。

数えるのもやめ、再び足元が怪しくなって

また彼女が心配そうな顔をし始めたくらい。

僕たちは開けた場所に着いた。

そこには・・・

母が立っていた。

嬉しそうな、泣きそうなそんな顔。

ただ、僕の知ってる母よりぜんぜん若くて綺麗だった。

その母が何か言っているが、なぜか僕には聞こえなかった。

それを察したのか母は静かに笑って僕を抱いた。

いつもは鬱陶しいと感じているハグであるが不思議と心地がいいものだった。

ふと僕はさっきまで温もりを感じていた手から

いつの間にか温もりが消えていることに気がついて隣を見たが

女の子はいなくなっていた。

そしてその温もりが無くなったことに気がつくと同時に意識が薄れはじめた

意識が消える寸前僕は最後の最後で母の声が聞こえた気がした。

「私に、生まれてくれてありがとう。愛してる」

久しぶりに聞いた。暖かいメッセージ。

僕の意識はそこで終わった。

昨日、私は懐かしい夢を見ました。

わが子を産む際、私の体調がよくない事もあり出産直後意識不明の危険な状態になったのですが

その時に私は夢を見ていました。

群青の空の下

森の中で私は何かを待っているのです。

そしてそれが来ると同時に気づきました。

嬉しくて、ついつい力強く抱きしめてしまいましたが

とても暖かくて幸せというものを感じました。

今はそんな風に抱きしめると嫌な顔をしますが、

またいつかあの夢で見たような優しい顔を見せてくれるよう祈りたいです。

ただ、あの夢にいた女の子は誰だったのでしょう。

きっと、死にかけていた私が見たのですから死神さんだったのでしょうか?

だとしたら何て優しい死神さんでしょうね

もし、そんな死神さんがいらっしゃるのでしたら私は一度だけでいいから

ありがとう

そう伝えたいです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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