短編2
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定番と思いきや…

聞いた話です。

彼女は幽霊を信じるタイプだが、彼女の友人Aは信じない人。

そんな2人が、有名な心霊スポットに行った。

場所は廃病院。

女の幽霊を見た、ナースの幽霊が歩き回る、そういう噂が耐えない場所。

月が出ていた為、懐中電灯は必要なかった。

一頻り徘徊したが、怖いのは雰囲気だけで、特に何もなく、車に戻り帰ろうかと話をしていた。

「キャー!」

と、急に彼女が叫んだ。

Aが何事かと思い彼女を見ると、「う、後ろ…!」叫びサイドミラーを指さしている。

瞬時に後ろを見ると、服装がボロボロのように見える女が薄暗闇の中から走ってくる。

さすがにAもビビり、車のエンジンをかけた。

彼女はもう半狂乱!

「早く!車出して〜!」と、ギャーギャー喚き散らす。

サイドブレーキを下ろしていざ!……Aが急に困惑した表情でルームミラーを見つめていた。

彼女はと言えば、そんなAに腹が立ち、「どうしたの!?早く出してよ!」とキレる。

しかしAは、車を出すどころか女が来るのを待ち、窓も全開にして「早く乗って!」と女に向かって叫んでいる。

もう彼女ガクブル!

『まさか幽霊を乗せる気?!いくら信じてないからってそこまでするの?!』と思った。

Aは何を思ったかサイドブレーキを引き、車を降り女の方へダッシュした。

運転免許を持っていない彼女は、『もうダメだ!呪われる!殺される!』と車の中で身を屈め震えるしかなかった。

そして…

後部座席のドアが開き、Aがその女を乗せるような音がした。

「すみません!助かりました!ありがとう・・・ありがとう・・・!」と女の声がした。

彼女はポカーン。

友人もすぐに運転席に戻り、慌てて車を出した。

と、同時に…今度は男の怒声みたいなのが後ろから聞こえてきた。

しかしAは構わず発進、すぐ警察署へ。

もうここら辺りから何となく彼女も気が付いたらしく、女はレイプされかけてボコボコに殴られたらしい。

よく見ると顔面血塗れだった!

命辛々何とか逃げ切ったところに自分たちの車があった、ということらしい。

もしあのまま逃げてたら、その女の人は殺されてたかも・・・。

Aは幽霊を信じてないから、そういう行動が出来たのだろう。

警察署の帰り道、Aは「死んでる奴に殺されるなんてバカらしい、こっちは生きてるんだから」と言ってた。

頼り甲斐がある友人です。

幽霊も怖いけど、生身の人間がヤバイと思う話です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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