中編7
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実話・たろうくん

この話は体験談です。

怖い体験やこれを読み気を悪くしたなどの苦情を出す方はご遠慮下さい。

私が18の時に会社の先輩から聞いた話。

これが全ての始まりだった

仕事帰りに先輩に声をかけられた。

先輩『よしー!飯行かないか?』

俺『おごりっすかぁ?』

先輩『またかよ…う~ん、おごってやるよ!女と別れてから帰ってもする事ねぇしな』

そんな感じで飯に行く事になった。

ラーメン屋に入ると、まだ時間が早いのか客が二人しかいなかった。

空いてる所に座り注文をする

店内ではテレビがついてた

二人で会話をしながら

テレビを観てたら

CM『今夜八時から、怖い話特集』

俺『先輩~幽霊っちいるんすかねぇ?俺は全く信じてないっすよ』

先輩『いや、いるよ』

真顔でその一言…

俺『なんすか?見た事でもあるんすか?』

先輩『若い時にな、それから一度も見てないけどな』

俺『え?なんすか、なんすか?どんな体験?』

先輩『この話は人にした事ないし、聞かんほうがいいぞ』

そう言われると聞きたくなる…

しつこく俺が聞くから

先輩は仕方なく、約束を守るならいいぞ。

俺『守ります!』

そして話は始まった。

先輩が17の時、とても仲良しのAとBがいた。

先輩達は休みの日は、三人でキャンプしようとなったらしい。

車を一時間走らせ近くの○○山に行く事になった。

天辺まで登ると休憩する為の小屋みたいなのと外に

木で作られた長椅子があった。

小屋の隣にはおでこの辺りが白く削れたお地蔵さんがあったらしい

三人は長椅子に座り休憩をしていた

A『せっかくだから写真とろうぜ』

先輩『俺、とってやるよ』

そして三人は記念に何枚か写真をとり

その日はとても楽しんで

いい思い出を作ったらしい

何日か経ち、先輩がカメラを現像に出した

写真を受けとり自分ので

間違いがないか確認した。

次の日、三人でAの家に集まりテレビを観ていた。

先輩『あっ!写真できたから持ってきたよ』

三人は写真を手にとり

楽しかった時間を思い返していた

B『おい、これ見ろよ!こんな所に男の子いた?』

先輩『男の子?どこ?』

A『どれ?見せて』

AとBが小屋の前で撮った

写真でした。

長椅子に座ったAとB

その隣りのお地蔵さんの

横に男の子がハッキリと…

先輩『やべ…これお祓いとかしてもらったほうが…』

A『なんだよこれ、カメラ屋の現像ミスとかじゃねぇのかよ?』

B『こわ…こんなにハッキリと写るもんなのかよ…』

Aは全く怖がってない感じで笑ってたらしい。

先輩とBはどうするか真剣に悩んだ…

そしてBの知り合いが心配して、お祓いを頼んでくれたので次の日に三人で家を訪ねた。

三人が着いた家は外見普通の家だった

インターホンを鳴らすと

60歳~70歳ぐらいの女性が出て、ニコッと笑い中へ

案内してくれた。

二階にあがり座敷へと通された。

写真を渡すとおばさんは

すぐに準備を始めお経を唱え始めた。

30ぐらいするとお経が止みおばさんは三人に話し始めた。

『これは○○山ですね?私も何度か行ってます。

写真にうつった男の子、この子はタロウ君と言います』

先輩AB『タロウ君…』

おばさん『この子は幼くして○○山で亡くなったんですよ。

24年前に誘拐されて殺されこの世に未練を残し成仏できずにいます。

この写真とフィルムは私が預ります。

今から大事な事を伝えます

覚えて下さい』

おばさんはそう言って三枚の紙に何か書きながら話し始めた…

おばさん『タロウはきっとあなた達の所に遊びに来るでしょう。

もしタロウがきたら伝えて下さい。

1つ・太朗は遊ぶ

2つ・太朗は叶う

3つ・太朗はそう

この3つを絶対に伝えてあげて下さい。』

そしてその3つの言葉を書いた紙を三人に手渡した。

おばさんはもう一度お経を唱えた。

先輩は凄く怖かったらしいもちろん友人のAも…

おばさんに連絡先を聞いてお礼を言って家を後にした三人だった。

先輩『どうしよ…マジで現れたら…』

B『おいおい、お前達…

あんな話を信じるのか?

じゃあ聞くけど幽霊だったとしても、なんで太朗?

写真で名前がわかるって

インチキにもほどがある』

そう言っておばさんに頂いた紙をビリビリに破った。

先輩『あ~ぁ…破ったのかよ…』

先輩はそれもそうだなと思いながらも怖いという気持ちは消えなかった。

実際に写真にうつったには間違いはないからだ。

三人はいろいろ話して

出る訳ないよな!とか言いながら別れた。

その日の夜…

何も起こらず朝を迎えた。

な~んだ、やっぱ何も出なかった…助かったなぁ…

先輩はそんな事を考えていたら部屋から携帯の音が聞こえた。

(こんな朝方に誰だろ…)

Bからだった。

B『おい!お前は大丈夫だった!?あれ覚えてて正解だったよ…

お前は太朗君きたか?

どうだった?』

Bは凄く興奮してたのか早口で言いたい事を全て一気に吐き出した。

先輩『何?マジで言ってんのかよ!?俺のとこには何も来てないし何も出てないよ!!』

先輩はそれを聞いてすぐにAの事が浮かんだ。

先輩『Aは大丈夫かな?一回切るわ!電話してみる』

プルルルル…プルルルル…

プルルルル…

(何してんだょ…早く出ろよ…)

プルルルル…プルルルル…ガチャッ

A『はい…もしもし…』

凄く眠たそうな声だった

先輩『太朗君出た!?Bのとこに出たんだってよ!!俺は大丈夫だったけど、お前が心配で!』

俺はBに勝るほどの早口で 聞いた、ギネスに載ってもおかしくない程の早口だった。

A『まだ言ってんのかよ… おやすみ…寝るわ…』

ガチャッ…ツーツー…

先輩はすぐにBに電話した

プルル…ガチャッ

B『もしもし!』

(早い…ギネス…)

先輩『あいつ駄目だわ!全く信じてないし、電話はいきなり切るし。そうだ、泊まり行っていい?』

先輩はBの家に泊まった。 一人でいると怖くて寝れない、出たらどうしようという恐怖感に押し潰されそうだった。

夜の一時ぐらいまでゲームをしてたら凄い睡魔が襲い眠くなってきた。

太朗君の事はあまりの眠気で忘れていたのだ…

二段ベッドの下で先輩は横になり、上でBは眠った。

気持ちよく寝ていると

夢の中で誰かが呼んでる…夢か…?現実か…?

『お兄ちゃん…お兄ちゃん…遊ぼう…』

(ハッ…!!)

眼を開けると体が動かない…

生まれて初めての金縛り…

(体が動かない…)

その時、なぜか恐怖は無かった…

眼を閉じるとも考えなかった。

それが夢なのか現実なのかBの家に泊まった事すら忘れていた。

視界にベッドが見えて。

(そうだ…Bの家に泊まったんだった、上にはBが寝てる、起きてくれ!頼む)

やっと現実だと気付く。

おかしい…ベッドを見ていると一本の道ができている左右には民家がずっと並んでる。

(どうなってる…幻覚…?)

ベッドの木の部分に道があるのだ…

もう夢か現実か訳がわからなくなってきた。

その一本道の先に黒い影が見えた…

その影は一歩…また一歩…少しずつ近付いてくる。

一歩…一歩…ダダダダッ! ダダダダダッ!!

いきなり走って向かってきた

あまりの怖さに一瞬、いや一瞬なのかも覚えていない眼を閉じ…ゆっくり開けた

そこにはまだ一本道があった…

だが、黒い影は消えていた

(なんだ…なにがどう…)

そう考えた瞬間、左耳辺りで声がした…

『お兄ちゃん…ねぇ…

お兄ちゃん遊ぼう…』

(でた…太朗君だ…)

その黒い影が視界に近付いてくるのがわかる…

とっさに眼を閉じる…

おかしい…何て説明すればいいのか難しいが眼を閉じているのに、影が近付いてきてるのが見えるのだ…

一歩、また一歩…

先輩はおばさんに教えられた言葉を思い出した

1 太朗君は遊ぶ

2 太朗君は叶う

3 太朗君はそう

それを何度も何度も心の中で繰り返した

何度も…何度も…

そうすると次は影が眼の前まで近付いてきた

『ありがとう…』

そうハッキリ聞こえた。

すぐに体が軽くなり直感的にもう大丈夫と感じた。

眼を開け、すぐにBを叩きお越して全てを話した

二人は次はAかもしれない そう感じた

時間を見ると朝方の4時前だった

こんな時間に電話をするのも失礼なので、朝起きてから電話する事にした。

朝起きてすぐに電話をした

だがAが電話に出ない…

二人はすぐに着替えてA家に向かった。

Aは家には居なかった…

その次の日もまた次の日も

親御さんも心配して警察に捜索願いを出した。

二週間後…

Aは○○山で変死体として発見されたのだ…

先輩とBは後悔した…

Aがまさかこんな事に…

あの時、無理矢理でも覚えさせたら…

朝方に電話をすれば…

後悔…後悔…そればかり…

先輩とBはおばさんに電話をして全て話した

先輩達はおばさんの家に呼ばれた

おばさんは二人に話はじめた…

なんと太朗君はおばさんの息子、幼く誘拐されて殺されたのだ…変死体で○○山で見つかったのだ…

それから葬儀の晩におばさんの夢の中に現れてから

遊んでくれなきゃやだ…

僕は生まれ変わりたい…

誰かが添い寝してくれなきゃ寂しい…

その3つをおばさんに何度もお願いしてきた

おばさんは泣きながら太朗君に言った

『太朗と遊ぶよ、太朗は叶うよ、太朗に添うよ』

『絶対だよお母さん…』

そして太朗はおばさんの夢に現れなくなった。

その後たびたび○○山で男の子の幽霊が出るという話を聞いた。

おばさんは過去に○○山での自殺や変死体は太朗の仕業かもしれないと思いだした…

おばさんは泣きながら何度も先輩達に謝ったらしい…

この悲しい話をラーメン屋で聞いた俺は後悔した…

先輩は辛そうに話してた…

もう1つの後悔は話を聞いた俺のとこにまで太朗君は遊びにきたからです。

これは冗談とかではない。覚えれない人は紙に書くとか努力してほしい…

俺のとこにきたのは忘れかけてた5日後…

疲れたので寝ます…

長文読んでくれて

ありがとうございました。

評価がよければまた書きたいと思います。

おやすみなさい……

怖い話投稿:ホラーテラー よしぴぃさん  

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