短編2
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友人A・B・C

やった。僕はついにやった。

とうとう来れたんだ。エロゲーの世界に。きっと俺はもう、二度と元の世界へは帰れないだろう。でも、構うもんか。あんな辛い現実に戻るくらいなら、ここで女の子達と甘いひとときを永遠に繰り返すほうがマシ!!

今日から俺の最高の人生が始まるんだ!

 

新学期早々、始業のチャイムギリギリに教室に滑り込んだ。

「な……なんとか間に合った……。」

教壇にはまだ先生は来ていない。▽

 

友人A「おい、おせーぞ、○○。」

友人B「1日目から遅刻とか、度胸あるなぁ。」

仲の良い連中は今学年も軒並み同じクラスのようだ。▽

 

友人C「オイ!聞いたか○○!今日スッゲー可愛い女の子が転校してくるんだってよ!」

「なにっ!マジか!?」

友人A「マジマジ!俺朝校長室に入ってくの見たもん!」▽

 

そうか……!新学期に可愛い転校生、これはロマンスの予感がするぞ……!

友人B「なにニヤついてんだよ……気持ちわりィ。」

友人C「オイ!来た来た!先生来たぞ!」▽

 

ガラガラッ

先生「おう!皆おはよう。」

まず先生が一人で入ってくる。

先生「今日から皆を一年間受け持つことになった。よろしくな。……あー、早速だが、同じく今日から皆と一緒に勉強する転校生を紹介する。」▽

 

キタキタっ!

先生「××さん、入ってきなさい。」

××「はい。」 

ガラガラッ▽

 

瞬間、俺は凍結した。

○○「あ……あ……。」

××「え……?」

○○「あ゛あ゛あああああ!!」

ああ、神様、嘘だと言ってくれ。▽

 

××「ああ!!アンタさっきの!!」

○○「お前!人を自転車で轢いといて!」

××「なによ!アンタが飛び出して来たんでしょ!!」▽

 

先生「なんだ、二人とも知り合いか?なら丁度いい。××さん、○○の隣に座りなさい。聞きたい事があれば何でも聞くといい。」

友人A「マジかよー!」

友人B「なんで○○が一歩先んじてんだよー」

友人C「先生!席なら今俺の隣あけますから!」▽

 

こうして俺は人生最悪の新学期の幕を開けた……。▽

 

 

俺にはここまでしかわからない。俺のセリフは3つだけ。美少女転校生の存在を知らせ、先生が来た事を告げ、主人公を羨む。これ以降出番はない。永遠にその朝を繰り返す。

もう100回目くらいかなぁ…。

 

「オイ!聞いたか○○!…」

 

 

こうして俺は、最悪の人生の幕を開けた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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