短編2
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わからなくて良かった

後輩「お疲れっした!じゃあ失礼します」

その日は職場の後輩が遊びに来ていた

俺「お疲れさん。またな」

俺は後輩にそう声をかけ玄関口で見送った。時間は12時を回った頃

明日は休みだ。まだ寝るには早い。そう思い俺はパソコンに電源を入れる

ピンポーンピンポーン

インターホンからチャイムが鳴った。こんな時間に誰だ?俺は少し不信に思いながらインターホンへと向かう

インターホンの小さな画面には先程帰ったばかりの後輩が写し出されていた

俺「どうした?」

後輩『あっすいません。俺携帯忘れてないっすか?』

俺は後輩が座っていた辺りに目をやる。そこには赤い携帯電話が転がっていた

俺「あぁここにあるわ」

そう言いながらオートロックを解除する。後輩は階段をかけ上がって来た

後輩「いやぁすんません」

俺「良いよ別に。早めに気付いて良かったな」

携帯を渡すと俺は再びパソコンの前へ

ガチャ……ガンッ

その音に驚き振り返る

……

後輩がアパートの玄関から出ていった音だ。インターホンを切り忘れていた

放っておいてもそのうちきれるのだが、音が筒抜けというのは気持ちの良いものではない

俺はインターホンへと向かい、電源を切ろうと手を伸ばした所で、画面の中で動くモノに気が付いた

(なんだろう?人か?)

それは人の形をしてクネクネクネクネと動いていた

(なんだっけこれ?なんか知ってるような気がする)

気が付くと俺は画面の中のモノを凝視していた

(暗いし遠いな。もうちょっと近付けばわかりそうなんだけど)

そう思っていると、ソレは少しずつ近付いてきた

(もうちょい!あとちょっとで……)

そこでインターホンが切れ、画面は真っ暗になった

俺「あぁ~切れた!もうちょいでわかりそうだったのに!」

俺は声に出してそう叫んだ

(しかしアレは何だったのだろう?クネクネクネクネと動いて……)

そこまで考えて、全身に鳥肌がたった。俺は一体ナニを視ていた?インターホンが切れなかったら俺はどうなっていた?

俺は震えながら布団に潜り込んだ

今となってはアレがなんだったのかはわからないが、本当にわからなくて良かったと思う

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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