中編7
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隣の住人

少し前まで、私は今付き合ってる彼と

田舎にあるとあるマンションで、同棲していました。

そこは田んぼが多く、辺りが暗くなると

人っ子、一人通らないような

そんな治安のいい田舎町でした。

私たちが借りてた部屋は、マンションの一階の一番奥から二つめ

角部屋の隣でした。

彼とまだ同棲していなかった時、私はちょくちょく彼の部屋に泊まりに行ったりしていたのですが

なんら変わった事もなく、住みやすそうな所だな〜と安心していました。

そして、数ヶ月が経ち

私は彼と、ついに同棲する事になったのですが

楽しい同棲生活も初めのうちだけ…

一緒に住みだしてから、2、3ヶ月ですぐに異変が起きました。

ベランダに干したはずの、下着がない…

しかも、私のだけ。

さすがに一階なのに、ベランダに女性物の下着を干してたのは、まずかったかな…

と、私は自分の非を認め

それからすぐに、下着だけ部屋干しに変えました。

しかし…

次の日から、普通の洗濯物(デニムのパンツや、靴下)も盗まれるようになったのです。

私の勘違い?

そう思ったけど、私はその日着た服を

すぐに洗濯する癖があり、盗まれた物も、昨日着ていた服や履いていた靴下…

部屋中探したのですが、やっぱり見つからない。

明日もなくなっていたら、彼氏に相談しよう…。

そう思って、気持ちを切り替えることにして

部屋の掃除に、取り掛かりました。

食器を洗い、掃除機をかけて、壁でも拭こうかな〜と思って

雑巾で壁を拭いていると、なんとなくですが隣の部屋から

声が聞こえるのです。

『…%#〜&*△〜』

初めは何を言っているのか、はっきり聞こえず

隣の人は、昼間は仕事してないのかな〜なんて普通に流していました。

そのままと気にせず、そーっと壁を吹き続けていたのですが…

隣の部屋からの声が

だんだん大きく聞こえるのです。

『ぜってー、ぶっ殺してやる!なんで、俺なんだ!なんで、俺なんだ!俺なんだ!俺なんだ!俺なんだよー!!!』

私は怖くなって

すぐに拭き掃除を辞めて、バッグを持って家から出ました。

とりあえず、夕飯の買い物ついでに

スーパーに避難したのです。

最近不景気だし、みんなストレス溜まってるんだろな〜。なるべく今は、そっとしてあげよ。私の掃除機の音が、うるさかったかもしれないし…。

そう思って、なるべく長い時間スーパーを徘徊していました。

1時間半ぐらい経っていたので、もうそろそろ夕飯の準備もしなくては…。

そして私は、大量の買い物袋を提げて、ゆっくり歩いて部屋まで帰りました。

恐る恐る物静かな部屋で、耳を澄ましていると

隣の部屋からは何も聞こえてこず、ホッと安心して夕飯の支度を初めました。

彼が帰ってくるまで、あと1時間ぐらいか…

急いで作らなくちゃ!

そして私はオムライスとシチューを作りました。

よしっ、完璧!

早速、テーブルに並べよ〜。

と思って、一度リビングに戻って

テーブルを拭いてました。すると…

『ガチャンッ』

玄関のドアが閉まる音が聞こえました。

彼が、帰ってきたのかな?

そう思って玄関に駆け付けたのですが、誰もいません。

え〜、おかしいな〜。

まあ、いいや。

軽く流して

料理した物を、テーブルに並べよ〜と思いました。

…あれ?

料理が、無い…。

お皿に乗せたオムライスも、シチューが入ったお鍋も

全て丸ごと、無くなっているのです。

えー!!?

すぐに私はリビングに行きましたが、やはり料理は置いてません。

結局料理は見つからず、ど〜しよ〜と思っていたら

彼が、帰ってきました。

『ただいま〜』

私は彼にすぐ駆け寄って、事の経緯を話しました。

すると彼は

『お前、鍵かけてたよなぁ?』

「うん。ゴミ出しするだけでも、いつもちゃんと鍵かけてるよ。」

すると彼は、

『まさか!』

と言って、ベランダに走って行きました。

そして何やらベランダの外で、ガサガサしていたのですが

暫くしてから、落ち込んだ様子で戻ってきました。

「どうしたの?」

私が話しかけると、彼は物凄く申し訳なさそうな様子で

『ほんっとに、ごめん!!!』

私は頭が?な状態。

『…実は、俺よく鍵無くすから、ベランダの室外機の下に合い鍵置いといたんだよ…。』

「…それで、まさか?!」

『…うん。無かった。』

「いつからか、わからないの?」

『…わからない。ごめん。』

という事は、犯人はまだ鍵を持ったまま…。

怖い…けど、今日はもう彼氏がいてくれてるから

大丈夫かな…。

明日になれば、管理人さんに話そう。

私たちにも非があるわけだし、こっちは二人だし、まだ警察沙汰にする事でもないだろう。

とりあえず、その日はピザを宅配して

普通に寝ました。

夜中に私は、トイレに行きたくなり

目が覚めました。

眠い目をこすりながら、トイレに行こうと思って

薄暗い部屋を、壁づてに歩いていると

隣の部屋から、声が聞こえます…。

あれ〜?

隣の人、まだ起きてるのかな〜?

若干寝ぼけながらでしたが、なんとなくこんな夜中に何を話してるんだろうと思い、やらしいですが耳を澄ましてみました。

『…%#〜の*△〜たぎ』

もっと、よく耳を澄ましてみると

はっきりと聞こえてしまいました。

『緑の下着〜。青の下着〜。水玉の下着〜。花柄の下着〜。緑の下着〜。青の下着〜。水玉の〜…』

永遠にこれを、繰り返しているのです。

私はゾッとしました。

私の無くなった、下着の種類だったのです。

私は恐怖でフリーズ状態。

私は熟睡している彼を、無理矢理起こして、とりあえず今すぐ部屋出よう〜と言いました。

彼は寝ぼけてて、初めは?な状態でしたが、

とりあえず私の焦った様子を見て、すぐに部屋を出てくれました。

相手の話が聞こえたという事は、こっちの話も聞こえてたかもしれません。

部屋を出て、

彼にさっきの話をすると

朝一で管理人さんに、来てもらおうということになりました。そして鍵も変えてもらおうと。

彼が明日も仕事だった事もあり、私たちは部屋へ戻って寝る事にしました。

彼は、大丈夫と言って

すぐ寝ましたが

私はなかなか寝付けられませんでした。

異常に音に敏感になってしまい、時計の秒針も部屋中に響き渡って聞こえる程でした。

彼が熟睡して、いびきをかきだしたとき

私も少し安心してきて、睡魔が襲ってきました。

もう寝よう…

そう思って、寝返りを打った瞬間

隣の部屋から、ドンッと軽い物音が聞こえました。

一瞬で眠気が飛んだ私は、怖いと思っていながらも、好奇心には勝てなくて

隣の部屋に面した壁に、耳をすましてしまいました。

『今日の夜食はシチューだよ〜。オムライスもあるよ〜。美味しくできてるかな〜。』

私は何故か、泣いてしまいました。

恐怖が絶頂に達したのでしょう。

今までこんな事は、ホラーサイトやホラー番組の中だけの話だと思っていましたから。

そのまま声を出さないように、口を手で抑え

うずくまって泣きつづけました。

そしたら急に目覚ましが鳴りました。

あぁ…彼が起きなきゃいけない時間か…

そして彼を起こして、更に夜中に起こった話をしました。

彼は仕事を休んでくれて、昼には管理人さんと鍵屋さんが来てくれて

マンション内に監視カメラをつけてもらい、鍵を変えてもらいました。

なんで管理人さんがこんなにすぐ良く対応してくれたかというと、

最近不審者がこのマンション付近を、うろついている…そういう苦情が他の住民からもあったからだそうです。

私たちも、鍵の管理には気をつけますと反省の色を見せ

管理人さんに、ありがとうございましたと言い

部屋へ戻りました。

鍵も変えたし、監視カメラも付けてもらったから

もう、大丈夫だろう。

私は彼に

やっぱり仕事に行ってくれていいよ。と言い

彼も心配そうでしたが、何かあったらすぐに電話してね。と言い残して、家を出て行きました。

なんとなくホッとした私は

リビングでゴロンと横になり、昨日寝てなかったせいか、いつの間にかウトウトと夢の世界へ入っていきました。

いい気持ちで寝ている私、よく寝たな〜と眠い目をこすりながら目を覚ますと

私の顔を覗き込むように、太った陰気な男の人が、しゃがんでいました。

そして一言

『あんまり、調子乗るんじゃねぇぞ…』

そこで、目が覚めました。

あまりにも、リアルな夢で

私は凄く怖くなって、必要最低限の荷物を鞄に詰めて

実家へ帰りました。

それからは、彼とはまだ付き合っていますが

そのマンションには泊まりに行く程度で、住んではいません。

もう少ししたら、彼と一緒にまた別のマンションで住むのですが

次のマンションの隣の住人が、どんな人か気になります。

そして私が彼のマンションにあまり寄り付かなくなってから聞いたのですが、隣は私が実家へ帰ってからすぐ空き部屋になったそうです。

長文、駄文

あまり怖くない話を読んで頂いてありがとうございました。

これは全て私が体験した実話です。

怖い話投稿:ホラーテラー ストロベリーパフェさん  

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