短編2
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メッセージ

春が来た。

周りはすっかり桜色に染まり、気持ちが穏やかになっている。

自分もその中の1人だ。

今日から6年生。

小学校の上級生としてしっかりやらなければ。

というのが3割。あとの7割は、小学生最後の年、何かすごいことをしようかな。

そういう気持ちだった。

小学生の頃は毎日が楽しい。

「あ~明日も学校だ~。めんどくせ~。」

とか言いながらも、

心の中では、

「また明日もみんなと遊べる」

という本音があった。

そういう気持ちで毎日をすごしていると、

気付くともうあと1ヵ月で卒業式。

学年のイベントで

[学年でもっとも人気がある人ランキング]

というものがあった。1位たける君

7位小宮君

自分はランク外だった。

僕は1位のたける君と7位の小宮君と大親友だ。

休日となれば必ずと言っていいほど遊んでる。

学校でも怒られる時はだいたいこの3人で一緒に怒られてた。

卒業式2週間前、最悪な事が起きた。

小学生には早すぎる悲劇が起こった。

たける君が亡くなった。

「今日、お母さんの誕生日なんだ。だからプレゼント買うから先に帰るね」

と言って急いで帰って行った。

オルゴールを買って家に向かう。

信号をわたろうとした時、車にひかれた。

飲酒運転だった。

卒業式の日

みんな泣いていた。

それ以上に僕と小宮君は泣いていた。

たける君の親も来ていた。

とてもやつれてる。

1週間ずっと泣いていたらしい。

小宮君が遺影を持つことになった。

2時間ほどで卒業式は終わった。

たける君のお母さんは体調不良で病院へ向かった。

先生の提案でみんなでグラウンドに集まることにした。

晴天だ。

たける君に別れを告げるために。

みんなそれぞれ何か言っていた。泣きながら。

突然大雨が降り出した。

たける君が泣いている?

みんなそう思いながら空を見ている。

先生が風邪をひくといけないから、と言ってみんなを帰した。

僕と小宮君は隠れて6時ぐらいまで何も食べずにぼ~っとそらを眺めていた。

次の日、先生たちは自分の物を片付けるために学校へ行った。

昼食の時間になると校長先生が「天気もいいことだし屋上で食べませんか?」と。

みんな賛成だった。

屋上で昼食をとっていると1人の先生がグラウンドを見て[ハッ]とした。

グラウンドには…

ありがとう

と。

怖い話投稿:ホラーテラー 奇跡さん  

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