中編4
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頑張りすぎの代償

久々の投稿です。

暇な方は読んでやって下さい。

俺が二十歳の頃、大学のサークルで仲良くなった女の子(R)の話。

(注:彼女ではない)

Rはとても活発な子で、俺とは趣味が同じ釣りと言う事もあって、隔週末には他の奴と一緒に、富士五湖や霞ケ浦にバス釣りに行った仲だった。

その日の釣りが終わり、他の奴は眠ってしまった帰りの車の中での話。

R【私さあ、ずっと前から役者になるのが夢だったんだぁ!】

俺【ふーん、そっかぁ。...え? じゃあ、なんで演劇のサークル入んなかったの?】

R【えへ、すごく迷ったんだよね~!釣りも大好きだから.....それに私、緊張しぃなんだよ。】

俺【緊張しぃって、そりゃ役者として致命的でしょ。(笑)】

R【ちょっと、何笑ってんのよ!!失礼しちゃうわね!!】

バシッ!!!

ジーパンの上からだったが、俺の左太腿は真っ赤になってたはずだ。

時は過ぎ、俺達は卒業を迎え、俺はある企業に入社し、Rはある旅行会社に就職した。

それから俺達は連絡をとり合うこともなく、2年が過ぎたある日、Rからの電話が鳴った。

Rの声には元気が無く、力もなかった。

R【私ね...、おかしくなっちゃったみたい。】

俺【なんだ?おい、大丈夫かよ?】

R【大丈夫じゃないよ....心が変なの。

.....もう!どうにも出来ないの...助けてよ!】

俺はすぐに車に乗り、30分かけて一人暮らしのRのマンションへ向かった。

Rの部屋をノックしたが誰も出ない。

ガスメーターが回っているから、中に居ると思った俺は、管理人を叩き起こして鍵を開けてもらった。

Rは居た!

物凄くやつれていて、あまりの変貌ぶりに驚いたが、とにかく大丈夫そうだったので、後の管理人に振り返り、

【すみませんでした】と言った瞬間....

管理人【ああぁ!ああ~危ないっ!!!】

Rは自分の首の頸動脈にカミソリを当てていた。

スッと数センチ引くだけで自殺完了の状態だ!

俺【おまえぇっっ!!!何やってんだぁ!!!】

R【つらいの!つらいの!楽になるの!】

俺【まずちょっと待て! な? 久々に会ったんだしよ! 話をしよう。 な?】

と言うと、あっけなくRはその場に崩れ落ちた。

俺はすぐにカミソリを取り上げ、危険そうな物を全てRの近くから離した。

管理人は警察と救急車を呼ぼうと言ってきたが、俺が後で呼ぶからと帰ってもらった。

俺はRに寄り添った。

俺【あはは、すっげーな? まじ迫真の演技!】

R【・・・。】

俺【なんかさ...、色々あっただろうけど、もう大丈夫だから。】

R【・・・大丈夫じゃないよ。.....心がね? 勝手に死にたがるの。 私は嫌なのに、死ななきゃ、死ななきゃって何かに急かされてるの。 最近は特にひどくって、自分を見失うの。】

俺【うん、でも良かったんだぜ?....もう誰かが側に付いて離れないから、死ぬ事はないからさ...。】

R【うん..、ああ、...でもまた死にたくなってきたら...】

俺【大丈夫!その為に医者がいるんだ! 今、救急車呼ぶからな? 俺が見ても、明らかにお前らしくないから病気だと思うよ。 医学に頼ろう? な?】

そして、R了解のもと救急車を呼んだ。

一緒に病院まで行き、とりあえず医者はRに睡眠薬を飲ませた。

その後、俺と医者で話した結果、明らかに危険な【うつ】状態だと言うのだが、必ず治る病気だから大丈夫とお墨付きを頂いた。

しかし、本人にはくれぐれも色々と聴き出してはダメだと言う。

なんでも、自殺するほどの辛い記憶を思い出させるのは相当危険なので、治るまでは絶対ダメらしい。

俺はその後Rの友達に合い、何か知らないか尋ねた。

その友達から聞いた話。

Rは旅行会社に勤めたまま、演劇の学校に通っていた。

そこでの演技は結構上手で、とんとん拍子に舞台に上がれる様になり、台詞までもらえることになった。

しかし、それからが緊張し過ぎて失敗してしまった。

でも頑張り屋のRは一日の睡眠時間は殆ど無いくらい、練習に励み頑張った。

それが暫く続いたある日、Rは友達に電話をしていた。

R【ねぇ、幽霊って本当にいるんだよ?知ってた?】

友【何言ってるの!R大丈夫なの?】

R【大丈夫じゃないわよ。幽霊が見えるんだもん。おかしいよね? 私、でもこれ現実だよ!】

友達は相当気持ち悪かったらしい。

R【私がね?舞台で失敗した時に聞こえたの。 笑い声が...気味の悪い声が...ヘタクソって、そのうち段々見える様になったの。】

友【もう、やめてよ!何の冗談よ。】

R【本当にいるんだよ。家にもいるし、外にも沢山いるの!】

友達は怖さもあったが、すぐに駆け付けた。

だがRは、【ゴメンね。驚かせちゃったね。何でもないのゴメンね!本当にゴメン!】

と言って友達を帰したそうだ。

友達はその時、病院に連れて行っていればと悔やんでいたが、

俺が

【大丈夫!医者が治るって言ってたから。】と言ったら安心していた。

それから、沢山の時間がかかったが、今ではRは完治して自分の人生を頑張っている。

俺とRは、釣り友達から飲み友達に変わり、仲良くしているけど...

幽霊の話はまだ一切していない。

.....って言うか出来ない。

長々失礼しました。

       おわり。

怖い話投稿:ホラーテラー りんごあめさん  

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