短編1
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女工さん

明治時代、日本の一大産業であった製糸業を支えるため岐阜県の野麦峠を越え長野県内にある製紙工場まで働きに出掛けた飛騨地方の貧しい農家出身の少女達がいた事を皆さんは知って要るでしょうか。

私はその日野麦峠を車で走り峠の頂上にある資料館を見学した後峠の茶屋で蕎麦を食べ自宅へ帰ろうと松本市側の峠道を降りて行きました。

下り坂になっていて20分ほど進んだ後、何故か違和感を覚え背筋が寒くなりました。

冷静になろうと偶然近くにあった駐車帯に車を止めました。

そして右手の山林のほうに目をやると、少なくとも20人位は要るででしょうか。

資料館で見た女工さんたちの服装をした少女達が続々と山を下って来るでは有りませんか、私は正直コスプレかと思いましたがすぐにコスプレでは無いことに気がつきました。

それは何故かと言うとその時は夏なのに1人1人あきらかに冬物の服装で、それに青白い顔をしして笑顔もなくただ魂が抜けたようなフラフラとした放心状態でした。

そしてしばらく私が見つめていたらスーッと消えてしまいました、思い返せばあの時見た人達は、冬、雪崩や寒さなどで峠を越える事が出来ず亡くなられた女工さん達なのだと思いました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん

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