これは慶長年間に信濃国のどこかで実際にあった話だそうです
話の内容は、とある村に神社が有り、そこには神主と1人の美しい巫女がいました、
ある日巫女は神社の裏手にある山奥の祠近くで薬草を採っている最中急に背筋に寒気を感じ、ただならぬ恐怖心に駆られその場から動けなくなってしまいました
そして動けなくなってしばらくすると正面に平安時代の貴族のような服装をした真っ白い顔の若い男が現れたそうです
その男は巫女に対して「そなたに惚れた、一緒になりたい」と唐突に言いました
巫女もその言葉を聞いて若い男に一目惚れをして、動けない状態で「はい」と返事をしたそうです
それから男は「では今日中に神主を殺して牛の刻にまたこの場所に参れ」と言ってスッと消えてしまいました
そして巫女は神社に帰るや否や神主を殺し、言われた通り牛の刻までに、その男から指定された場所に行きました
そして巫女がしばらく待っていると男が現れ、巫女が声をかけると男は急に白い大蛇に化け、逃げようとした巫女の背中に噛みつきました、
巫女はしばらく逃げ回っている内に大蛇の毒が周り亡くなったそうです
そしてその後巫女の死体を見た大蛇が念仏に似た呪文を唱えると巫女は生き返りました
しかし生き返った巫女は顔が青白く、魂が抜けでいるのと何らかかわりない虚ろな目つきをしていました
それから大蛇は生き返った巫女に向かってこう言いました
「くくくっ、これであの忌々しい霊力を使う神主はくたばりおった、それに、これからそなはずっと儂のものじゃ」と。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話