中編3
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死んだ眼

私は、都心に真ん中にある

高層マンションに

住んでいます。

両親とも仕事で単身赴任を

していて年末に帰ってきて

また忙しそうに家を出る

様子を小学校から見ていました。

学校も面白い訳でもなく、

仲間同士で恋がどうの

男がどうのとかは全く

興味も無く一人でさっさと

帰宅していました。

ある日の帰りの事でした。

高層ビルの一室から

飛び降りがありました。

私は一瞬でしたが、

地面に叩き潰された

ハエの様な人間の姿を

生まれて初めて目にしました。

マンションのベランダから

眺めるその光景は

まるで神にでもなった様な

気分もしましたが、

すぐに我に帰りトイレに

駆け込みました。

自分のその時の

感じた事のない優越感と

その死体と目が合った様な

恐怖と初めて見た人間の

潰された姿にイッキに

気分が悪くなってしまったのです。

焦りながらもすぐ

忘れられるよ…と自分に

言い聞かせるように

深い眠りにつきました。

一週間くらい経った頃

だったでしょうか、

同じ階の奥さんに声を

かけられ、不思議な事を

耳にしました。

「最近○○ちゃんの家の前、夜中くらいに毎日人が立ってるみたいだけど知り合い??もしかして彼氏?」

と、冷やかすように笑いながら

問い掛けてきました。

話を聞いてみると、

旦那さんが帰宅するのが

夜中らしく真ん中の吹き抜けを

通り越した先の私の家の前に

毎日毎日誰かがただ立っている

と言うらしいのです。

私の家のマンションは、

オートロックに監視カメラ

ブザーの鳴るセキュリティなど

人間は中から入れられる

以外入りようがありません。

どこかの家の人が私の家に

用でもあるんだろうか?

と思い、その時は適当に

答え夜中にゆっくりと

外を見てみようと考えました。

カツカツカツカツ…

しばらく足音が聞こえた後に

ドアの前でピタッと止まりました。

来たのかな?と思い、

怖がりながらも覗き穴を

ゆっくり覗いて見ました。

真っ暗…?そう思ったのも

つかの間でした。

ヒィッ!

それが何か解った私は、

尻餅をつき震えました。

確かに眼球だったのです。

血走った眼球がハッキリ

私と目が合ったのです。

鍵が閉まっているのを確かめ

部屋に閉じこもり布団を

被って朝になったらお母さんに

絶対絶対電話しよう!!と

そう思いました。

もしそいつが不審者だったなら

その時すぐにかけるべき

だったと今は思います。

ですが子供の私は、恐ろしくて

それ所じゃありませんでした。

バンッ

え…?今の音は?

すぐ後ろで聞こえた様な

気がしましたが振り返る

勇気など毛頭ありませんでした。

見た…?

耳元に聞こえた言葉に

驚き半泣きで振り返ると

窓のカーテンの隙間から

あの血走った目が見えました。

口元がうっすらと見え、

笑っていたようにも

見えました。

が、それ以上見つめ

合う事も出来ずに

気を失ってしまいました。

朝になると、あれは

夢だったんだ…と言い聞かせ

いつもの様に学校に向かいました。

背中が重いのは気のせい。

あの目が私を見ているのは

気のせい。

見えるはずがないでしょ?

だってあの目は、

私が見たあの目は、

こないだ食べた死んだ魚の

瞳とソックリだったもん。

もし私を見てくれる目が

あるとしたらそれは

きっとお母さんの目だよ。

お母さんは一週間前、

私の代わりに飛び降りた人の

下敷きになって目が

とびでたんだもん。

おかあさんみててね。

わたしヒトリでも

ヘイキだからね。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名JKさん  

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