短編2
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誘拐犯

女の子が俺の前を歩いてる。

俺は追いかけていく。わざと足音を響かせて。

もし後ろから抱きついたら叫ぶだろう、涙を浮かべて嫌がるだろう、必死で俺の腕の中でもがいてにげようとするに違いない。

そうしたら俺は車の中まで連れて行ってあげてちょっと眠ってもらって家に帰って楽しむんだ。きっと起きてからも泣いて叫んで暴れるだろう、でも男の力には叶わなくて絶望を感じて、今度はきっと許しを請うんだ・・・・・・・

いかん、想像が膨らんでしまった。

女の子の20mくらい後ろまで来た。

足音聞こえないのかな…逃げてくれよ、その方が楽しいだろう。

よし、もっと追ってしまえ。

足音を大きくしてまた付いていく。

女の子のすぐ後ろに来た。

あれ?逃げなかったな、そうか、天然な子なのかも・・・それもいいな。

抱きつこうとバッと手を広げた。

思わず顔がにやける。

ギュっとしようとしたその瞬間、女の子がぐるっとこっちを向いた。ゴキン、ブチュッと音がした。

その顔は目と口が大半を占めていた。

顔の真ん中に二つの穴が空いているのが鼻らしい。

すべての穴から血が垂れ流れている。

目は血走って左右の目玉が違う方角を見ていた。

口の中が異様に真っ赤だ。

え、?

こっちを向いているのは首だけだった。

さっきの音は彼女の首の骨が折れ、首の皮が引き千切れた音だったらしい。

あまりに突然のことに動けない。

どうなっているんだ、今?

血に染まった腕、体、顔。

腕を広げたまま呆然と女の子の顔を見つめると、みるみるうちにその口が裂けていき、耳まで裂けた。

そして、女とは思えない野太い声で言った。

「わたし、きれい?」

男は動けなかった。

男の視界いっぱいに赤色が広がる。

なんでだなんでだなんでだああそうか口が近付いているからなのか口が真っ赤だ真っ赤だ真っ赤だまっかだ口がまっか口が怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ恐いよこわいよ女の子じゃないのかよなんでだなんでだあくルナ来るな来てるよ来てるよおおおああああああ痛いよ痛いよいたいイタイイタいよおオオおおおお赤い赤いいあかいアカイいいいいいいいいいいいいいいいいイ

END

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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