中編3
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ロン毛のポリシー

俺の高校時代の友人にロン毛の男がいた

俺はことあるごとにキモイから髪を切れと忠告してきたがヤツは聞き入れなかった

そんなロン毛に訪れた悲劇な話

俺たちはある日銭湯に行く約束をしたんだ

経緯は忘れたがなんか「皆でひとっぷろ浴びようぜ!イエァー!!」なノリになったんだと思う

メンツは俺とロン毛の他に仲の良い友人2人を含めた計4人

学校が終わって銭湯の前で待ち合わせた

銭湯なんて久しぶりだったのでやたらハイテンションな俺たち

そう俺たちは裸の付き合いでさらに友情を高め合うのだ

そんなこんなで2時間くらい入っていたと思う

熱湯勝負という高校生ならではのアホな勝負をした俺たちは

ヘロヘロな状態で風呂を出た

脱衣所でぐったりしている俺たち

幸い人はいなかったので全裸でのびていた

その脱衣所には扇風機が一台しか置いてなかった

その扇風機を巡り4人の小競り合いが始まるのは必然だった

なんと醜い争いだろうと人は笑うだろう

それでも俺たちには必要な戦いだったんだ(切実に)

醜い争いを初めて数分後

「いだっ!?いだだだだだだっ」

突然ロン毛が絶叫をあげた

驚いた俺たちは間合いをとった

1mくらいとった

ロン毛の髪が扇風機に巻き込まれていたのだ!!

その時のロン毛の状態を説明するとかなり難しいんだけど

扇風機の後ろから髪が巻き込まれており

ロン毛はエビぞりになった状態で扇風機に後頭部を張り付けていると言えば分かるだろうか

SAWの処刑場面とかでありそうだ

まぁとにかくきもかった

どうやら一番恐れていた皮膚ごともっていかれるスプラッタな事態は避けたらしい

偶然かもしれないが巻き込まれた瞬間にスイッチを自力で切ったようで

片手でスイッチを押していたんだ

この反射神経はすばらしいと思う

世界を狙える

「いでっーちょ・・・助けてくれ」

ロン毛はそのキモイ体勢から俺たちに助けを求めてきた

だが俺たちも軽くテンパっていた

こんな予想だにしない状況だもの

文字通りオロオロとしていた

とりあえず俺は髪を引き抜こうとロン毛を引っ張ったが抜けない

そしてロン毛は悲鳴をあげる

するとそこへ悲鳴を聞いた番頭のおばちゃんがやってきた

「ちょっとどうしたの?」

おばちゃんもこの凄惨な状況にさぞかし驚いただろう

と思ったら

「あら大丈夫なの?あらあらあら」

そう言ってロン毛の髪を引き抜こうとした

さすがおばちゃん動じなさがハンパない

そしてロン毛は悲鳴をあげる

どうやっても引き抜くのは無理なようでもはや選択肢は一つしかない

さらばうざかったロン毛

「ちょっと待っててな」

そう言って番頭のおばちゃんはどこかに消えていった

そして戻ってきた時その手には家庭用のハサミが

もちろん切れ味は最悪だ

いつのまにか他の人たちも集って様子を見守っていた

ロン毛の阿鼻叫喚が響く中おばちゃんは強引に髪を切断していく

その映像は軽くトラウマでもある

そしてなんとか扇風機から髪を切り離すことに成功したのだ

なんか歓声とかあがってたよ

今思えばチリの落盤救出に似ていたなうん

立ち上がったとき一瞬ガイルみたいな頭になっていた(すぐ重力に負けたけど)

帰り際ぼさぼさ頭のガイルは言った

「俺二度と扇風機はつかわねぇ」

そしてヤツはまた髪を伸ばしていくのだった

怖い話投稿:ホラーテラー Tさん  

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