短編1
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通り魔

突然の悲劇だった

「田中が通り魔に刺された」

結婚式を目前に控えた恋人が見知らぬ他人の刃に倒れたというのだ

仕事中だった私は上司に話を付け、

胸が引き裂かれそうな思いで現場に急いだ

が、あまりにも動揺していた為か、現場は知っている場所なのに

途中で一本道を間違えたり

近道を通ったつもりが知らない道だったりでかなりの時間がかかっていた

手足が暑くなり、背中もほんのり暖かくなるほど時間がたったころ

「ポン」と肩を叩かれた

「大丈夫か?」

振り返ると田中くんの親友の川野くんだった

彼も連絡を受け現場に急行したが、

なかなか私が現れないため心配し探して回っていたらしい

「現場はかなり悲惨な状況」

「田中はすでに心拍が停止していて助かる見込みは少ない」

それらの言葉を聞いてうなだれる私の手を優しく引いてくれる川野くん

「俺がついてるから大丈夫だ」

その言葉でいくらか救われた気分になった

現場へ行くのを辞め、緊急病院へ向かうタクシーの中、汗が冷えたのかゾクゾクと寒気がしてきた

そんな様子を察して川野くんが背中をさすってくれる

これからどんな未来が待っていようとも、彼がいてくれれば大丈夫かもしれない

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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