短編2
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何かがいる

家鳴りはさほど珍しいものではないですよね。

以前私の家でも、パキッとかミシッとか鳴っていました。

私の家では、使用していない部屋が一つだけあり、

そこのドアが、毎日必ず鳴っていました。

さほど気にしてはいなかったのですが、

そこの部屋が鳴ると、当時1歳の娘が必ず泣くのです。

しかも、ただならぬ泣き方で…。

初めはどこか痛いのかとか、病気を心配したのですが、特に異変はなく。

5分位で泣き止み、何事も無かったかのように、遊び始めます。

暫くして、その部屋が鳴ると娘が泣くことに気付き、

娘の様子を見ていました。

その部屋が鳴ると、娘はビクッと身体を動かし、

部屋の方をじっと見つめ、急に目を丸くし、泣き出す。

幼い娘の目には『何か』が見えているのでしょう。

しかし、それから何週間かしてその部屋から音が鳴らなくなりました。

娘も2歳になり、話もし始めたので、ダメもとで何故泣いていたのかを聞いてみました。

「あそこのお部屋から音がした後、泣いちゃってたのはどうして?」

すると娘は、

「だって知らない人がこっち見てるんだもん。

すっごい血がイッパイついてて、すっごい恐い顔してじっと見てるの!」

と言うのです。

私は恐ろしくなりながらも、

「その人はまだ家にいるの?」

と聞いたのですが、

「ううん。ずっと前に出て行った。」

との事でした。

その人が誰なのか、

何故娘を睨んでいたのか、

そして何故消えたのか…。

未だに解りません…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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