短編1
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昇竜拳

高校生のときの一時期、私はゲームセンターに入り浸っていた。

ストリートファイター…という格闘ゲームにハマっていて、テスト期間中でも勉強そっちのけで足繁く通う毎日だった。

そんなある日、いつも行くゲームセンターではすでに満席で、お目当てはできそうもない状況のときがあった。

仕方なく、近くの量販店内をぶらぶらしていると、そこの屋上階に小さなゲームコーナーを見付けた。

ストⅡがあり、喜び勇んで腰掛けたが、これがマズかった。

百円玉を挿入しキャラクターを選ぶ。

さぁ、やるか…と、意気込んでいたが聞き慣れない音が鳴り響き、2Pのキャラクター選択となった。

これが、乱入か…。

ん…?

この機械は2Pのコントローラがすぐ隣にある基本1人プレイ様だ…。

隣に誰か座ればすぐに気が付くし、第一狭くて鬱陶しい。

ゲームはスタートしていたが、この見えない誰かは非常に強かった。

つい最近やり始めた素人同然の高校生相手に昇竜拳は反則だ…。

頭に血が昇り、再び百円を入れると、また乱入…。

そして、惨敗…。

しがない高校男子の財布を空にするまでそう長い時間は掛からなかった。

気が付くと帰りの電車賃すら消えていた。

2駅分の距離の徒歩帰宅が確定したことに気が付いた私は、幽霊に対する恐怖感を遥かに凌ぐ喪失感を味わいデパートを後にした…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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