短編2
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昔、ラブホで

結構前の話ですが、当時付き合ってた彼氏とゆっくり2人で居られる空間とゆう事で度々ラブホを利用していました。

普段は比較的値段の安いお決まりの所を使っていたんですが、その日は満室。

仕方ないので少し歩いた別のホテルへ。

持ち込んだ食べ物やら何やらをお腹にしまいテレビを見てるうちに私は眠ってたようで…。

しばらくして起きたんですが、彼が私の顔を見ようとしない。話しかけても上の空の返事。

何かに怯えている。

「なー!どうしたん!?」

私に背を向けてテレビを見る彼の肩を揺らして強引にこちらを向けました。

彼は俯いたまま。

下を向いて何かボソボソ言ってる。

「……お前が怖かった……」

?寝てた私は?がいっぱいです。

彼に背を向けて寝入った私が少ししたら何かしゃべりだしたそうです。

私はたまに金縛りに会うので、その度に外からの力で解いて貰おうと必死に呼吸を浅く早くしてみたり唸ったりしてました。

慣れた彼は、その時も「またか。」と思い私を起こしてくれようとしたそうです。

でもいつもと様子が違う。

はっきりと何かをしゃべっている。

「待ってな。ちょっと待っといてな。すぐ行ってくるからな。」

ただ寝言を言ってると思い、面白いのでその寝言に返事をしてみた。

彼「どこ行くん?」

私「ちょっと待っといてな。すぐ行って来るからな。」

彼「だからどこ行くん?」

私「すぐきって来るから」

彼「何を?」

私「………」

彼「何を?」

私「ひと」

その後彼は私を起こす事もやめ、話しかける事もやめたそうです。

最後の一言は明らかに私の声じゃなかったって。

何年かたち結婚した私達は共通の友人の家に遊びに行きました。

それで怖い話になった時、その話をしたんですが…。

「そういえばだいぶ前そのホテル殺人あったよな」

私達「えっ?」

確かに私の住んでる区内のホテルで殺人がありました。

私達のあの一件より前です。

「そのホテルの3階一番奥の301号室、今も使ってるらしいけどな」

その部屋でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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