短編1
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23分間の奇跡

入社日9:00

最初に座った席から見えた光景は、阿鼻叫喚の職場風景だった。 

鳴り響く怒号。どこの机の電話が鳴ってるのかわからなくらいの電話の音の雨あられ。 

自分の目の前を穴あけパンチが飛んでいった。誰かが誰かに向けて投げたのだ! 

パンチが顔に当って突然泣き出す女性。 

それに向かって「トイレいく時間削ってでも仕上げろ!!」という怒声。 

私は正面をじっと見据えた。なぜか空気が蜃気楼のようにゆがんでいる。 

部屋は冷房ががんがん効いているというのに、私のシャツは脇も背中も 

脂汗のようなものでびっしょりだ。

 

私は立ち上がった。そしてその部屋を後にした。

時計は9:23を指していた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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