短編1
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愛しさと切なさと…①

これは『怖い話』ではないのかもしれませんが、私が中学時代に体験した不思議な話です。

中学一年の時、『彩』という名のクラスメイトがいました。彩はとても大人しい子で女の子同士では喋ったりしていましたが、男の子と話す姿を見た事がありませんでした。

しかし芸能人にも負けないような容姿をしており、数人の男子が告白しては振られる姿を何度となく見た事がありました。私も密かに憧れてはいたのですが、振られて落ち込んでいる友人達を見ると告白する勇気が湧いてきませんでした。

そんな彩と私の距離が縮まったきっかけは夏休みのある出来事でした。

私は部活(当時剣道部)が終わり、友達と別れ一人で家路についていると道端に座り込んでいる人影がありました。近づいてみると彩で『何してるの?』と声をかけると最初は驚いた表情をしていましたが『家の鍵を落として…』と困っている様子でしたので、私も一緒に探してあげることにしました。

暫く探すと鍵は見つかり二人で一緒に帰りました。私は彩と並んであるける緊張と喜びで何を話したか覚えていません。でも別れ際に『ありがとう。男の子と話してこんなに楽しかったのは初めてだよ!』と笑ってくれたのは覚えています。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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