短編2
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不気味な兵隊

私が小3の頃、親の仕事の都合で引っ越して来た家で起きた話です。

その日は兄に付き合って庭の草むしりをしていました。

砂利が敷き詰めた庭でした。以前住んでいた家の庭は、土ばかりで雑草が多く、私は初めて見る庭に興奮していました。

草を引き抜きやすいよう砂利をよせていると、何かが現れました。それはフィギュアで、絵の具の肌色に似た色合いでした。恐らく当時見たテレビの影響だと思うのですが、直感的に兵隊のフィギュアだ!と思いました。そのフィギュアは下半身だけしかないのに。

前の住人の仕業なのか。近隣の子どもの嫌がらせなのか。

どちらにしろえげつない。私はそんな感想を持ちました。

その時、作業の手を休めていた私を訝しんで、兄がそのフィギュアを見に来ました。兄は面白いと言いましたが私はそうは思いません。不気味で仕方がなかったのです。

結局、その後の作業は捗らず、また来週に、と言う話になりました。私は、腰から下しかないフィギュアを元あった場所の更に深い所に埋めて砂利を被せました。人目に付かない所にあれば安心、と思ったのかもしれません。捨てると言う考えは浮かびませんでした。

翌日。私は締め切ったカーテンの向こうから漏れ聞こえる足音に起こされました。自室は二階で側の窓からは庭が見下ろせたのです。

昨日埋めた兵隊が頭を過りました。あの足で歩いているんじゃないかと馬鹿げた考えが脳裏を掠め、すぐに否定し、カーテンを握ります。怖いものは苦手ですが、確認しなければ気が済まなかったんだと思います。

意を決して覗き込んだ庭を歩いているのは、母でした。

安堵と脱力感をもたらした母のあの事件から一週間後。

兵隊の事もその事件の事も忘れ再び兄と草むしりしていると、あの兵隊が出て来たのです。私が埋めた位置から遠く離れた場所で。

それ以来草むしりは兄に押し付け、庭には行かないように努めました。今は引っ越したので、あの兵隊がどうなったのかは分かりません。しかし、結局兵隊の上半身は見付からなかったそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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