短編2
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殺人現場での釣り

この話を信じるも信じないもあなたの勝手です。

俺は大の釣り好きだった。

今日も朝3時半に家を出て、車を走らせた。

持って来たものは、竿と餌のミミズ、クーラーボックスと氷、それと少しの金だった。

車を走らせてちょうど30分くらいで海辺についた。

時刻は4時。1番鱚が釣れる時間だった。

俺は来る途中立ち寄ったコンビニで買った眠気覚ましのガムと、時間つぶしの雑誌をペラペラめくりながら獲物がかかるのを待った。

それから10分も待たないうちに竿が震えた。

やはりここは穴場だった。

つれたのはやはり、鱚。

それを境にどんどん竿は震え、色々な獲物がかかった。

鱚、虹鱒、そしてついでにおまけの海藻。

まだまだかかったが、今日の1番の当たりはタコだった。

ふと腕時計を見ると午前5時40分頃。

まだこんなもんかと思ったがその場所は今まで行っていた海よりはるかに寒く、そして俺自身も何故か吐き気を催していたので、今日はもういいか、と腰を浮かした。

荷物を持ち、車に向かおうとして、向こう側に女性がうつむいて座っていることに気づいた。

「あれ、人なんていたんだ…」

急に、タコを釣り上げた瞬間の自分のハイテンションぶりを思い出し、恥ずかしい気持ちでいそいそと車に向かった。

車に荷物を詰め込み、一段落ついたところで俺は今日獲得したタコをまた拝もうとクーラーボックスを開けた、が見た瞬間驚いた。

ボックスから足首が出てきて、俺の脇横を通り、何処かへ走り去って行ったからだ。

俺はへたへたと座りんだ。それからの事は覚えていない。

目が覚めると、知らないおじさんが「大丈夫か」と一言言った。

俺はガバッと立ち上がり、さっきあった事を必死に説明した。

おじさんは「そうか」と言うと、ゆっくりと話しだした。

昔、この近くで金持ちの娘が交通事故で亡くなったそうだ。それもバラバラで。

火葬になるまで見つからなかったのは足首だけだった。

父は、足がないと不便だろう、と他人の女性の足首を棺に入れた。

それからまもなくして女性の死体が発見されたそうだ。あの海辺で。

俺はその話を聞いて震え上がった。

じゃあさっき俺が見たのは…

怖い話投稿:ホラーテラー 有島Mさん  

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