短編2
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言い訳

いつもどおり、俺は満員電車に乗って会社に向かっていた

いつも、いつも人が多くて身動きが出来ない

電車が急に止まった

その時、後ろから笑い声が聞こえた

「くすくす、くすくす」

何がおかしいのかわからなかった

俺は会社に遅れるのが心配で、時間を確認した

「8時15分か、まだ大丈夫だな」

10分ほど時間がたち、車内アナウンスがあった

「只今○○駅で人身事故がありました。しばらくお待ちください。」

俺は大丈夫かなと、満員の電車のなかで広告を見ながら思っていた

笑い声がまた聞こえた。

次は右側、ちょうど肩あたりから聞こえた

「くすくす、死ねばいいのに」

俺は気持ち悪くなり右側を振り向こうとしたが、満員で体が自由に動かなかった

「くすくす、くすくす」

ずっと聞こえてくる

電車が動き始め△△駅でたくさんの人が降り、とりあえずゆっくり後ろを向いてみた

誰もいない

俺は次の□□駅で降り、ホームにいた駅員さんに聞いた

「車内から変な笑い声が聞こえるのですが」

「人身事故がありまして、その人は無くなってしまい、そのせいかもしれませんね」

俺は霊とかは信じないが、確かに聞こえていた

「くすくす、くすくす」

ホーム駅員さんにお礼を言い、俺は次の電車に乗ろうとした

その時、また笑い声が聞こえた

俺は後ろを振り向かず、そのまま電車に乗った

なぜか誰も乗っていない電車

変に思いながらも

先ほどの緊張からか、トイレに行きたくなった

一号車からトイレのある三号車まで歩いたが、誰も乗っていない

さっきまであった笑い声も聞こえない

変だ

小便をして鏡で手を洗っていると、鏡に車掌がいた

「お客さ~ん、これ回送ですよ~あれ~スーツにクリ~ニングの札が着いてますよ~ははは~」

そう、俺が気味が悪いと思っていた笑い声はスーツのクリーニングの札だったのだ

会社に遅刻の言い訳、何にしようか

怖い話投稿:ホラーテラー たいたんさん  

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