短編2
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見えてるだろ

初めての投稿です。

読みづらい文章、実際にあった話なのでオチが無い事を許せる方だけどうぞ。

私が社会人になって2年目のある冬の日の事です。

その頃、仕事場が遠くて更に朝早くから始まるという事でいつも5時半には家を出ていました。

住んでいた団地から最寄り駅へ出る道は二通り。

少し遠回りながらも広くてきちんと舗装された道か、団地の裏側から抜け出れる細くて廃屋が並ぶ近道か。

少しでも寝ていたかった私はもちろん毎朝近道を使っていました。

その日も、同じ時間に家を出てその道を歩いていました。

冬だったので日の出も遅く薄暗い中、前から真っ赤なレインコートを着た女性が歩いて来るのが見えます。

昨日、雨だっけ?

今日は晴れって天気予報も言ってたのになー、と、寝起きの頭でぼんやり考えていました。

ですが、その女性が近付くにつれてある違和感を感じ始めます。

身長がかなり高いのです。髪の毛も腰辺りまでぼさぼさに伸びており、俯いているせいで顔も見えません。

私は150cmぐらいなのですが、その女性は2Mは越えていたと思います。

でも、今まで幽霊も見た事が無いですし霊感も多分0です。

高いなー、と思うだけで普通にすれ違いそのまま駅へと急いでいると

お前 見えてるだろーッ

と、野太いような甲高いような、なんとも言えない声で叫ばれました。

それも、耳の直ぐ後ろで息が掛かるのが分かるぐらいの距離でです。

一気に心臓が跳ね、体中の血液が冷たく感じました。

だけど、今振り返ったら見えてると言ってるようなものだ!

平然を装ってそのまま歩き続け、駅員サンに爽やかな朝の挨拶を受けてから初めてゆっくりと後ろを向くと誰も居なかったです。

あれから、懲りずにその道を使用していますが特に何もありません。

ですが、赤いコートを着ている女性にすら未だに一瞬びびります。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー ころころさん  

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