中編3
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兄の友人

『こうなった理由』を投稿したものです。

コメント欄にその兄の会社の方は精神科が必要なのではという意見があったので再び投稿しようと思いますが、別に反論するつもりとかはないです。

兄の中学からの友人で香港アクションスターに憧れ、鍛えまくったマッチョな人がいました。

その人は獣医になると大学は親戚のいる北海道へ。

親戚の牧場の手伝いもするんだと意気揚々と出発。

が大学を辞めて帰ってきました。

まるで別人のように痩せ、青白い顔。

環境が合わなかったんだろうと兄と友人達は気を遣い飲み会に誘ったり、家に遊びに来いと誘ったりしていました。

そんなある日。

「おまえの妹、霊感あったっけ?」

「ねぇよ。オカルト好きなだけだ」

兄は否定したのですが、何故か呼ばれました。

ちなみに私は霊感ゼロです。

「あっちで仲間と肝試ししたんだ」

地元で有名な廃屋で、体育会系の彼は幽霊を信じない代表で参加したらしい。

真っ暗い中、四人の男だらけの肝試し大会。

みんなで廃屋の中を見て回ったけれど、民家だし階段や床は所々腐り落ちてて見られる場所はごく限られ、終わるのに10分もかからなかった。

霊が出る訳でもなく、期待ハズレでそのまま解散したらしい。

ところがそれで終わらなかった。

それからあの廃屋に女の人がいる夢を見続けたらしい。一緒にいった仲間も。

眠れない日々が続き、酒を飲んでごまかすみたいに眠っても夢をみる。

牧場の朝は早くて段々と体力が落ちて行くのが実感できて、参ったなぁと思っていた矢先に、仲間の一人があの廃屋で自殺未遂。

霊を信じてない彼は思い込みだと思っていたけれど、「死ぬ気はなかった。呼ばれてる気がしてあそこに行かなきゃいけない気がした」という仲間の言葉が耳に残る。

我に返ったら手首切ってて痛みで正気に戻り、自力で逃げ帰った友人。

気にはなったが、そこまで何かを感じた訳ではなかったのに。

夜中に車の鍵を握り、飛び出しそうになったりして自分がいよいよ変になったと感じたらしい。

これは集団ヒストリーで暗示にかかっているだけだ。きっとそうだと入院中の奴を除いた三人で集まり、みんなで夢の中に出てくる女の人の絵を描いた。

これで特徴が違ったらいい。幽霊によくあげられる髪の長い女や白や赤の服だったりしたら、間違いない。これはただの思い込みで暗示だ。

だが三人が描いた絵は、ほぼ一緒だった。

髪はショートカットで、ブラウスに長いスカート。

しかも後ろ姿だった。

二人は怯え、お祓いに行くと帰ったが兄の友人は体育会系の現実主義で通ってた人。一緒に行くとはプライドが邪魔して言えなかったらしい。

彼はとりあえず病院に睡眠薬を貰いに通った。

でも一向に良くならず、環境を変えて親元に帰る事を勧められて地元に帰って来た、という経緯があったらしい。

「お祓いいっとけ。気休めになるだろ?」

「なんか、負けた気がするから嫌だ」

「「で?」」

と意見を求められても霊感なしの私には答えられるはずはなく、そのままおひらきになりました。

兄の友人は、数日後に入院。

兄が彼の母親に聞いた話、深夜に部屋で目茶苦茶に暴れてから、二階の窓から飛び降りたらしい。

見舞いに行きたいといったが、親族以外は入れない精神科の病院だった。

数ヶ月で退院したけれど何故か兄や友人を避け、すっかりと縁が切れてしまっています。

本当に必要だったのは、精神科の医者や薬だったのか。

霊感のない私には判断出来ませんし、その肝試しに一緒に行ってお祓いを受けた人達がどうなったのかも聞いてないのでわかりませんが。

ただ少なくても、お祓い受けた兄の会社の人の方が元気で日常生活を送れてるような気が……。

勿論、いろんなケースがあり大半は思い込みかもしれませんし、霊感ない身分では語れませんけど。

聞いた話ばかり投稿してすみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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