短編2
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スネーク、応答しろ

小学校の頃、丁度ゲームのメタルギアソリッドが流行ってまして。

影響受けやすい年頃ですから、誰からともなくメタルギアごっこなんてのをやり出すようになりました。

内容の一貫性なんか全然なかったんですけどね。ただのかくれんぼだったり、レーションだなんて称して隠し持ってきたカロリーメイト食べたり。

そん中でも一番のトレンドが、忍び寄って後ろから首絞める遊びだったんです。子供って根が残酷なものだから、暴力的なもの程魅力を感じちゃうんですね。大流行でした。

でも首絞めなんて結構危ないんで、時々先生に見つかって本気で説教受けてる人もいました。

それでも、やられた子も冗談として笑える内は良かったんですが。

皮肉なもんで、先生に見つかると怒られるって事が、一部の子のスリルを余計に掻き立てる結果になっちゃいまして。乱暴者の度胸試しみたいな形で段々エスカレートしていって、中には柔道の知識を半端にかじった子が、相手を失神させて「応答しろ、スネーク!」なんて頬を張りまくって目覚めさせるという、どう見てもイジメにしか見えない様な事も影で行われていました。

それを見たその柔道かぶれの子とは別のイジメっ子が、負けまいと思ったんでしょうね、「本当のスネークはそんなもんじゃねえ」と言い、その失神していた子の首をガッシリと抑えつけます。

そして、思い切り横向きの方向へ、首を。

明らかにおかしな方向まで首を曲げられたその子は、腕を放すとそのまま倒れました。

その場はもう騒然となり、誰かが、ヤバいヤバい、と言いながら先生を呼びに走りました。

当のイジメっ子は事態の大きさに我を失い、明らかに混乱しながらもこう言いました。

「コイツは雑魚敵だったからたまたま死んだんだ!お前らだっていつも同じ事やりあってただろうが!」

めちゃくちゃな言い分でしたけど、大分たった今でも、彼の言っていた言葉が妙に頭から離れないんです。

さっきも、ふざけて首を絞めていて誤って相手を殺してしまう夢を見ました。しょっちゅう見ます。その相手の顔も、当時ふざけて実際に絞めていた友達だったり、好きな人だったり、家族だったりします。

虐められて死んだ人の呪いなんてものが在るとすれば、それは一体どの位広く、深く在るのだろうか、と時々考えます。

自分はその場にいて止めもしなかったので、確実にその範疇だと思います。

悪夢が呪いであってもなくても、きっと死ぬまで見続ける気がします。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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