中編3
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猫と僕

俺が高校2年生の時、いつものように決まった通学路を仲の良いダチであるAとBとCと帰る途中で脚を怪我した猫を見つけた。

可愛そうに思った俺らはコンビニでマキロンやら包帯やら買ってきて、手当てして牛乳とシーチキン缶を食べさせてやった。

『おれん家じゃ飼えないからごめんな』と言って別れを告げた。

真冬で寒そうだったから、ついでにマフラーを身体に巻いてあげた。

寒い時期が終わり、高校最後の夏休みに入り、思い出づくりに免許とりたてのAが俺とBとCをドライブがてら肝試しに誘ってきた。

懐中電灯や神社の魔よけや清めた塩を持って出発、道中は恋愛話や進路の話やらで盛り上がり、目的地である地元で有名な廃家に到着した。

噂では肝試しにきたカップルが行方不明になったという不気味な場所だ。

車を降りて家のドアを開けた。思ったより荒れていてヤンキーどもの落書きまであった。

玄関に入り、持ってきた懐中電灯をつけて一階を歩きまわった。

続けて2階も調べたがガラスが割れていたり、蜘蛛の巣があるぐらいで特別変わった様子はなかった。

しばらく物色していたが、退屈になってきた為に俺らは帰る事にした。

その時Dが『地下室がある!』と叫んだ。

ABCと俺は見に行くと、食器棚の下に階段を見つけた。

『降りてみようぜ!』とDが言うからみんなで調査開始!!細い階段を降りると小さな部屋になっていて、なぜか机の上にナイフとお札が置かれていた。

ふと気付くとDがいない…その瞬間突然耳鳴りがして夏にも関わらず空気が真冬のような寒さになった…。

そして衝撃が走った!! 部屋中から黒い影が現れて、俺とAとBとCの腕や脚をもの凄い力で掴んで壁に引っ張ってきた!

『おいで 一緒に遊ぼ…う 殺してやるヒヒヒ』影達は気味悪い笑い声を響かせながら引っ張ってきた。

必死で抵抗していざという時にポケットに入ってた塩をぶつけても全く効果がなく、首にかけていたお守りはひきちぎられた…。

A『ヤバイ…もう…』

B『マジむりぃだ泣』

C『離せよ!痛ぇよ!』

抵抗むなしく壁がどんどん近づいてきた…もうだめだ…。

ニャー゛!シャぁぁ!

外から猫の声が聞こえた! ガラスが割れる音が聞こえて『ダンダンダン!』と足音が…そして地下室へ繋がる階段から一斉に猫が数匹入って影に襲い掛かってきた。

影達は『バぁんあーー!』と叫びにならない叫び声を響かせながら消えて行った。

身体が解放された猫達を抱えて俺達は一目散に逃げ車に乗り込みアクセルを踏んだ。

俺が抱えていた猫は真夏なのにボロボロのマフラーをくわえていた。

C『もしかしてあの時の猫?』

俺『だよな?俺のマフラーだし』

A『仲間呼んできっと助けてくれたんだ』

B…(放心状態だった)

後日…俺を助けてくれた猫は親に反対されながらも何とか俺の家で飼う事になり、ABCもそれぞれ一匹ずつ飼い、残った猫は同級生や親戚や近所でもらってくれる人をさがした。時間はかかったが、何とか飼い主は見つかった。

そして受験が終わり、家業を継ぐCを除いて、みんな無事に大学合格ができた。

バラバラになる前にお別れ会を俺の家でやる事になり、A、B、Cで集まった。くだらない話ばかりだったが、あの肝試しの時の話になった。

C『マジ怖かったよな』

A『でも猫のおかげだし、これからは動物大事にしなきゃなって思ったよ』

俺『ニャン太(猫の名前)はこれからも俺の大事な家族だよ☆』

B『なぁ…あの時いたDって誰なんだ…?』

それを聞いた瞬間に俺らはゾっとしたて、鳥肌がたった…。

終わり

怖い話投稿:ホラーテラー メテオレインさん  

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