短編2
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窓の女

高校の卒業パーティーという名目で、クラスの霊感が強い女子の家にみんなで泊まりに行った。

地方から来てた人もいたが、2年間も一緒にいると仲良くなり、38人みんなで泊まった。途中でカップルが抜け駆けしたりして結局25人くらいになったが、一人者の集まりは男女構わず妙に気が合い、ビックリするほど盛り上がった。

ワイワイと盛り上がっているころ、俺はトイレに行きたくなってトイレに駆け込んだ。ちょうど真上の天井に窓があり、外の様子を見られるのだが、その時の様子はちょっと違った。夜中だから当然暗い。でも、何か違う。

目を凝らしてよく見ると大量の髪の毛だった。酔っていたから見間違いの可能性もあるが、その時の記憶は鮮明に覚えている。

怖いといっても、やはり酔っていたせいかあまり気にせずにそのままリビングに戻った。ちょうど怖い話大会をしていたので、トイレで見たことを話すと、その家に住んでる女子が急に青ざめた。

どうしたのか聞くと、何年か前に、その女子の父親が地方に出張に行ってきた時に「髪の長い女」を背負ってきてしまい、家を散々徘徊した挙げ句、トイレに住み着いてしまったと真面目な顔して言った。

確かに酔っていた。

でもあんなに早く俺の話に合わせられるだろうか。あんなに真面目な顔だって今まで見たこともない。

ちょっと雰囲気が重くなった時に、外で一服してた男子が青い顔してリビングに駆け込んできた。「髪の長い女」が家の屋根に四つん這いで張り付いている、と。

タイミングも話も内容もドンピシャ。

結局一人残らずその家を飛び出した。

卒業してもう一年経つが、その子と連絡は未だ取れていない。

というより避けられてる。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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