中編7
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引きこもりの言い訳

グロテスクとは少々ちがうと思うが 

適当なタグがないためサイコ・グロタグにて投稿させてもらう。

不快に思う方がいるかもしれないがご容赦願いたい。

人には五感(このサイトの読者には六感と言ったほうが適切だろうか)がある。

五感とはご存知の通り、視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚である。

視覚とは光の刺激を受けて生じる感覚、

触覚とは物理的に物に触れたときに感じる感覚、

聴覚とは空気その他の物質の振動を音として感じる感覚のことだ。

では嗅覚とはどういうものだろうか。

Wikiによると「周辺に散らばっている化学物質を鼻腔の奥にある嗅細胞で感知する感覚」とある。

あなたが何かの「におい」を感じたとき、あなたの周りにはその「におい」の微粒子ともいうべき

分子レベルの化学物質が漂っているということである。

あなたは今、一緒に遊んでいた友達と別れて家に帰ってきた。

玄関のドアを開けると香ばしい「におい」が漂っている。

「カレーだ!」

あなたは今日の夕食が好物のカレーだと悟り、喜び勇んで台所に駆け込む。

そんな経験がないだろうか?

あなたが感じたカレーの「におい」・・・それは、

鍋で煮込まれたカレーに含まれる(スパイスから発せられた)化学物質が空中を漂い、

あなたの鼻腔奥の嗅細胞にキャッチされたということにほかならない。

この「におい」だが、我々日本人は良いものを「匂い」

悪いものを「臭い」と区別してきた。

良い匂いは私も好きだ。

気持ちを落ち着かせたり、気分を高揚させてくれたり。

だが世の中、いいものばかりじゃない。

悪臭とも言うクサい臭いもあるのだ。

あなたが電車に乗っているとしよう。

満員電車に揺られながら、あと30分は身動きも出来ず我慢しなければならない。

そんな時どこからともなくほのかな「におい」が漂ってきた。

「匂い」ではない。あきらかに「臭い」のほうだ。

あなたはすぐにその臭いの原因がわかる。

そう、だれかがこっそり屁をしたのだ。

あなたは顔をしかめながら、首だけを動かして周りを見る。

他の乗客もあなたと同様、顔をしかめたり口と鼻を手で覆ったり。

出来るだけ吸わないようにと、息を止める人もいるだろう。

だが、無駄な抵抗である。次の駅まではまだしばらくかかる。

息が続かず、思い切り息を吸い込んでしまう。 

まだ臭い! 

息をとめていた分、余計に思い切り吸い込んでしまった。

あなたは気分が落ち込みながらも「しょうがない」と済ますかもしれない。

だが、ちょっと待ってほしい。

あなたが嗅いだその臭い、それは空中を漂う臭いの微粒子だ。

誰かが放った屁に含まれる臭いの微粒子なのだ。

臭いの微粒子があなたの鼻腔の奥の嗅細胞に付着したのだ。

そしてその臭いの微粒子は、

誰のものかはわからないが、まちがいなくその犯人の、

その肛門を通って空中に解き放たれたものなのだ。

気持ち悪い!

しかもその微粒子は、鼻腔に飛び込んだものだけではない。

あなたの周りには無数の微粒子が漂っているのである。

あなたが着ている服や髪や顔、唇にさえ付着しているにちがいない。

これでは犯人の肛門にキスしているのとなんら変わらないではないか。

あなたの心はどんよりと沈みながらも、会社を休む理由にはならないと

自分を奮い立たせて会社に向かうだろう。

途中で小用をたしていこう、あなたは駅構内のトイレへ向かう。

入った瞬間、ものすごい悪臭が鼻をつく。

見たら余計にダメージを受けると知りながら、あなたは個室の方を振り向いてしまう。

 “ ! ”   

やっぱりある。  

よほど急いでいたのだろう、 

お腹の調子が悪くて間に合わなかったのかもしれない。 

便器内に納まることなく、はみ出した○○コ。

便器からはみ出しているため、流されることなくこびり付いた○ン○。

あなたは会社に着くまで我慢しようと、急いでトイレから出るだろう。

だが遅い! もう手遅れなのだ!

あなたは既にトイレにたちこめた悪臭を全身に浴びてしまったのだ!

あなたはその便器脇のウ○コに直接触れたのと同じことなのだ!!

「空中を漂う微粒子ならたいした量じゃないじゃん」

そう言う人もいるかもしれない。

はたして量の問題だろうか?

例えばあなたが道を歩いていて、何かにつまづいてしまったとする。

転倒をさけるため、無意識のうちに手をついてしまうはずだ。

もし、その手をついた場所に犬の糞があったら・・・。

まだ乾燥していない犬の糞に思いっきり手をついてしまったとしたら・・・。

もちろんティッシュで拭いたくらいではだめだ。 

洗わなければ。 石鹸で洗わなければ。 

近くにコンビニがあればダッシュで向かうはずだ。

他の客に気づかれないよう、まちがって糞がついた手で何かを触ってしまわないよう。

あなたは回りに気を配りながらトイレに向かうはずだ。

そして何度も洗うだろう。石鹸で何度も洗っては臭いが残ってないか確かめて、

それでも安心できずに消臭剤かコロンの類でも買って手にかけるかもしれない。

ほとんどの人がそうするはずだ。

では、あなたがつまづいて手をつきそうになった時、

犬の糞の存在に気づいたら・・・

必死に体勢を変え、糞を避けようとするだろう。

もちろん私もそうする。

よかった、なんとか糞を避けられた。危ないところだった。

安堵したあなたは手についた泥または砂を払うだろう。

「おや? 何か付いてる」 

小指の爪の先に付いた、ほんの少量の土のようなもの。

「ん? 土か?」 よく見ようと指を見つめたとき、

あなたは気づいてしまう。そう、臭いだ。

なんということだ! 避けたはずなのに! 避けきれていなかったということか?

まあ、いいや。ほんのちょっと付いただけだ。これ位、どうってことない。

たいした量じゃないし、気にすることもない。

そう言えるだろうか? 本当にそう言い切れるだろうか? 

私は嫌だ。 ちょっとだろうが微量だろうが嫌なものは嫌だ。

私には絶対に我慢できない。

決して量の問題ではないのだ!

「いやいや、だって濃度がぜんぜん違うじゃん。空中に浮遊してる物質なんて 

 空気と大差ないじゃん」 そう反論する人も居るかもしれない。

そうなのか?  本当に濃度の問題なのか?

ではちょっと想像してほしい。 

小学生か中学生のとき、体育の授業でプールに入ったときのことを。

「今日は自由に泳いでいいぞ」

先生の言葉にキャーキャー言いながら水を掛け合ったり泳いだりしたあの時のことを。

突然、悲鳴のような叫び声とともにプール中央から逃げ惑う級友たち。

蜘蛛の子を散らすように、四方八方逃げ惑う級友たち。

その中央に若干震えながら、うつむきながらたたずむA君。 

夕べ寝冷えしたのだろうか? 少し冷たいプールの水でお腹でも下してしまったのだろうか?

A君の背後に浮かぶ液体。 ゆらゆらと揺れる水面に浮かぶ茶色とも濃い黄色ともいえる液体。

固形物はA君の海水パンツで止まったのだろうが、液状のものが漏れてしまっている。 

そう、A君はあろうことか授業中それもプールの中で漏らしてしまったのだ。

先生はA君を促し、着替えさせるためにプールを後にする。

「おい、お前ら、先生は一緒に行ってくるから自由に泳いでいなさい」

「え~っ!?」

当然誰もプールに入ろうとしない。

当たり前だ。茶色い液体が浮かんでいるのだから。 

先生は「しょうがないな」と言いながら、バケツで上澄の茶色い液体をすくっていく。

「これで大丈夫だ。ちゃんとすくったぞ。じゃあ泳いどけよ」

泳げるか? あなたたちは、そのプールで本当に泳げるのか? 

嫌だ。 絶対に嫌だ! 

拒否する。 断固、拒否する! 

絶対に入らない。 俺は絶対に入らない!  

濃度の問題じゃないのだ。 濃い薄いじゃないのだ。 

「ほんの微量だ」「めちゃくちゃ濃度が低いんだから、限りなくゼロに近いんだから」 

そう言う人は、あのプールで泳いでいるのとまったく一緒なのだ。 

北島康介のように、「ぶはっ」っと息継ぎをしながら泳いでいるのとなんら変わりはないのである。 

このように、外の世界には臭いが充満しているのです。 

どこへ行っても、臭いから逃げることは出来ないのです。 

私からすれば、逃げられない臭いが存在すること自体が恐怖でしかないのです。

だから私はこの家から一歩も出ません。 

理由もなく家に篭ってるんじゃないんです。

ちゃんとした理由があって、家にいるんです。

えっ? 私ですか? そりゃあ私も人間ですから。 

屁もひりゃあ、ウ○コもしますよ。当然じゃないですか。 

私の屁の臭いですか? 違いますよ。 全然違うじゃないですか。

そりゃあ、くさいかもしれないですよ。でも全く別物ですよ。 

じゃあ、逆に教えてほしいんですけど。

あなたの目の前に二つのウ○コがあります。

一つはあなた自身がさっきひり出したもの、もう一つは誰かがひり出したものです。

どちらかを絶対に掴まなきゃいけないとしたら、どちらを選びます? 

誰のかわかんないんですよ。 もしかしたら江頭2:50のモノかもしれないですよ。

江頭を選びますか? 

私は迷わず自分のを選びますね。どっちかって言ったら、まだ自分のがマシじゃないですか。 

これで、答えになってますかね。 

でも、あなたもよく外を出歩けますね。 私からしたら、外の世界は恐怖そのものですよ。 

ある意味、あなたを尊敬しますよ。 私にはとても無理です。 

もう、いいですか。 じゃあ、そっとしておいてください。

失礼します。

怖い話投稿:ホラーテラー 昨日の人さん  

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とても意思の固い言い訳ですね。

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もう…
途中迄は良かったけど、中盤からくどくて飽きた。
ウンコが好きなのは分かりましたw
頑張って引きこもって下さい

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