長編8
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先生...

怖い要素0%です。

文才も皆無です。

それでもイイ方お進みください。

昔お世話になった先生の話

かなり若い20代の先生で

初めて先生には会ったときは

『教師』と言う職種のせいか

説教ばかり聞かされていた。

他校と揉めれば説教

問題起こせば説教

正直に言うと大嫌いだった。

今、思い出しても

誉められたことよりも

怒られた方が遥かに多いと思う。

そんな先生を慕うようになったのは

クラスで浮いてたときだ

理由は他校との喧嘩が原因で

謹慎したことだ

噂が背ヒレ尾ヒレが付いて

自分でも訳が解らないうちに

クラスで浮いていた。

他のクラスには彼女や友達も居て

『そんなの気にすんな。』

とは言われたものの

クラスには居づらかった。

そんなのも続いて

授業中に教室を脱け出して遊びに行ったり

屋上で寝てたりしてた。

いつの間にか教師たちも

俺をほっとくようになった。

中2病みたいにあの時は

『俺は誰も信じねぇ(`皿´)』

って感じだったな。

ある日

いつもみたいに屋上で寝てたら

『何寝てんですか?』

振り返ってみると

先生だった仮にU先生にしよう

U『授業中でしょう?』

俺『教室...居づらい...』

U『何かあったんですか?』

俺『わかんねぇ...』

U『...話してくれません?楽になるかもしれませんよ?』

全部U先生に話した

訳が解らないうちにクラスで浮いていて

クラスに居づらくて

教師も信じられなくて

どうすればイイのか解らくて

頭の浮かんだこと全部言ったら

いつの間にか泣いていた。

U『そうですか...でも...噂は本当じゃないんでしょう?』

俺『うん...』

U『なら気にしなければイイじゃないですか。』

俺『は?』

U『そんなの気にするから学校がつまらなくなるんですよ。信じれる友達も居るんでしょう?』

俺『居る...』

U『なら、それでイイじゃないですか!』

俺『でも...』

口を割るようにして先生が続けた

U『それでも足りないときは、私が居ます!私が味方になります!』

多分、他人が聞いたら

クサイ台詞だと思うけど

この時の俺には

とてつもなく心強い言葉だった。

その日から

俺は先生に言われた通り

周りの声を気にしないようにした。

始めはイライラしたけど

慣れると言われた通りだと実感した。

時間が経つにつれて

噂も薄れていき

クラスの奴等とも打ち解けられた。

U『最近どうです?』

俺『言われた通りにしてるよ。』

U『最初は痺れを切らして暴れ回るかと思いましたけどね。』

俺『信じろとか言っといて、自分は俺のこと信用してねぇのかよ!』

U『信じてますよ。』

俺『嘘つけ!!』

この時はもちろん

今でも先生には感謝してる。

先生が居なかったら

学校生活がつまらなくなってたと思うし

卒業なんて出来なかったと思う。

高校生活の中で

俺達が唯一信用してた先生だった。

俺以外にも

沢山の奴等に信用されて

悩みを打ち明けられる優しい人だった。

卒業式の日

U『卒業ですか...』

俺『何だよ!?出来ないとでも思ってたのか?』

U『いえ...淋しくなるなと...』

俺『たまに会いに来るよ。』

U『ふっ』

俺『何笑ってんだよ!?』

U『昔の貴方なら言わなそうな言葉だなと。』

俺『は!?』

U『昔だったら...「こんな学校二度と来るか!!」とか言ってそうだなと。』

俺『そうか?』

U『いつでも来てください。』

俺『ハイハイ。暇なときにな。』

卒業して暫くして

いつも同じ夢を見た

正直、夢だったのか

現実だったのか

今でも解らない。

夢の内容はと言うと

枕元に人が立っていて

俺をじーっと見下ろしている

顔を確認したくても暗くて見えない。

最初は『何じゃこりゃー!!』

って感じだったけど

何日も続くと慣れてきて

またか...程度になってくる。

気付くと気を失ったのか

夢だったのか解らないけど

朝になって目覚める。

それから暫くして

高校の友達と集まったときに

相談してみたら。

『そんなんどうでもイイから久々にU先生に会いに行こう!』

友達の扱いにショックを受けつつ

俺も先生に卒業以来会っていなかったので

久々に先生に会いに行くことになった

学校に着いて色々な話をして

U先生を探しても見当たらない...

仕方なく聞くことに

俺『U先生は!?』

『U先生は体調を崩して入院中だ。』

俺『は!?』

意味がわからなかった

頭の上に『?』飛びまくってた。

『お前等が行っても邪魔になるだけだから、お見舞は控えとけ』

と、だけ言われた。

学校に聞いても意味無さそうだから

不謹慎ながら先生の携帯に連絡した。

携帯に耳を当てながら

『出なかったらどうしよう?』

『出たとしてもどうしよう?』

『何で入院してんだ?』

『無事なのか?』

とか頭の中でグルグルしてた。

暫くすると

『はい...』

と知らない声が出た。

俺『え...Uさんでお間違えありませんか?』

『はい...そうですが』

電話に出たのは先生の奥さんだった。

お見舞いに行きたいと言ったら

快く入院中の病院を教えてくれた。

S『電話出たの先生じゃ無さそうだな』

友達のSが言った。

俺『うん...』

S『今日は遅い、また出直そう』

確かに学校から出たら

到着は遅い時間で

後日Sの車で行くことにした。

次の日

Sが家まで迎えに来てくれた。

重苦しい空気が車内を取り巻いてた

Sも俺も頭ん中グチャグチャで

話す内容も見付からないまま

病院に到着してしまった。

S『先生...大丈夫だよな?』

俺『俺が知りてぇよ...』

S『大したこと無かったりしてな!?』

俺『先生ならあり得る。』

Sと俺の、そうであってほしいと

調子のイイ言葉ばかり並べて

最悪の想定はしないようにしてた。

受付で病室を聞いて

重い足取りで病室に向かった。

病室に着いて最初に目に入ったのは

横たわって酸素マスクを付けた

先生だった...

俺等の予想を遥かに上回る

状況だった。

奥さん『ありがとう。ビックリしたでしょう?』

奥さんは優しそうな人だった

横には幼い娘さんも居た。

俺『...何があったんですか?』

奥さん『信号無視のトラックにね...』

言葉が出なかった

どうすればイイのか解らなかった。

奥さんは優しく接してくれて

『明日になったら起きてるかも!』

『生徒さんが来てくれたのに失礼な人よね!?』

とか俺等に明るく接してくれて

本来なら俺等が気を使わなきゃいけないのに

奥さんは一生懸命話してくれた。

何も出来ないまま

その日は帰った。

気を使うつもりが

気を使わせてしまったと言う

まだまだ自分の未熟さを思い知った。

その日は寝れなかった

先生のことと

いつもの夢だ。

いつも誰か確めようとすると

夢から覚めてしまう。

次の日から

迷惑かも知れないけど

行ける日は先生のお見舞いに行った。

何日も通っていると

人見知りしてた先生の娘さんも

話しかけてくれるようになった。

娘さん『パパがね元気になったらディズニーランド行くんだ♪』

俺『そっか!じゃあ早くパパに元気になって貰わないとね!』

娘さん『うん♪』

先生の家族が居ないときも行った。

俺『早く起きろよ...』

話しかけても返事は来ないのは

解ってる...

でも...そういう時って

話しかけたら起きるんじゃないかって

確信もないのに話しかけてしまうんだ。

そんなことを一ヶ月ぐらい

繰り返してたある日...

先生の携帯から着信が来た

『もしかして目覚ましたのか!?』

俺の予想とは180°違う報告だった。

奥さん『もしもし、○○君?(俺の名前)』

俺『はい!どうかしましたか!?』

奥さん『今...夫が息を引き取ったわ...』

頭の中が真っ白になった。

次の日から通夜の準備が始まった

俺は娘さんのお守り役で呼ばれた。

娘さん『パパ何処か行っちゃうの?』

俺『...俺もわかんないや。』

俺の口からは言えなかった

幼すぎて父親が亡くなったことを

理解していない子に俺から説明は出来なかった。

通夜が始まり

俺自身が現実を突きつけられて

今までに無いくらい泣いた。

先生が言ってくれた言葉が

頭の中で巡りに巡っていた。

俺が専門の入試に落ちたときも

『失敗しようが成功しようがやったことに意味があるんです。』

って励ましてくれたな。

友達と喧嘩したときも

『喧嘩出来るのも皆で騒ぐのも相手が居なきゃ出来ないんですよ、そんな友人を一生大切にしなさい。』

友達の大切さを教えてくれた。

葬式も無事に終わった数日後...

その日の夢はいつもと違った。

夢にいつも出てくる人が解ったんだ。

読んでるうちに解った人も居ると思うけど

その人は先生だったんだ。

先に口を開いたのは先生だった。

U『すいませんね。』

俺『何で謝るんだよ!?』

U『約束破っちゃいましたから。』

俺『約束!?』

U『貴方の味方になります。って言ったのに...すいません。』

俺自身が忘れかけてたことを

先生は忘れずに居てくれたのを

嬉しくもあり寂しさも感じた。

U『ずっと学校で待っててあげたかったけど、無理みたいで...』

俺『俺が...もっと早く会いに行ったら何か変わってたのかな!?』

U『そればっかしは解りません。でも...全ての結果には何か意味があります。』

俺『人が死んで何か得ようなんて思ってねぇよ!』

U『すいません。』

俺『もっと先生から色々教わりたかった...』

U『...十分ですよ。』

俺『!?』

U『初めて会ったときは、私から何か得ようなんて思ってなかったでしょう?』

俺『多分...』

U『だから十分です。』

俺『先生...』

U『はい!?』

俺『こんな出来の悪い俺が、今何かに頑張ろうと奮闘が出来るのは先生のお陰です。今までお世話になりました。』

U『こちらこそ。』

目を覚ましたら泣いていた。

最初から最後まで

先生にとっては世話の焼ける

生徒だったと思う。

これ以降

夢に先生が出てきたことはない。

もしかしたら

自分に調子のイイ

ただの夢だったのかもしれません。

予想以上に長くなってしまい

大変申し訳ありません

文才皆無の私の投稿を

読んでいただけて嬉しく思います。

感想、ご指摘お待ちしておりますm(_ _)m

怖い話投稿:ホラーテラー MAXAMさん   

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思わず涙が出て、
とても感動しました。

人と
いう字は・・・。目頭熱くなりました

自分の中学時代の担任を思い出しました…
厳しくも優しい先生でした。
とても良いお話でした。