短編2
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林間学校〜樹海〜

昨日の

姉の不思議〜とは繋がりないけど同日の出来事

小5の時林間学校でオリエンテーションが行われた

樹海からスタートして小さな山の頂上がゴール

途中に先生が誘導を兼ねて立っていて問題を出され答えを「林間学校のしおり」の回答欄に記入して進む

ゴールした所で答え合わせ

正解数とゴールまでのタイムで順位を決めるようになっていた

オリエンテーション中先生に誘導され道を歩いていたがグループの男子1人が道を外れて中に行ってみようと言い出した

樹海は危険だから絶対にダメだと言ったが男子は一人で行ってしまった

途中何度か振り返り私達の姿を確認していた

私達も見捨てるわけにもいかず男子の姿を目で追っていた

暫くして男子は無事戻って来る

「なんか人がいたよ 俺の事見て逃げってた」

スーツ姿でビニール袋を持った中年くらいの男性だったそうだ

樹海+スーツのおじさん+僅かな持ち物(若しくは手ぶら)

これは当時の私達がイメージする自殺者だ

私は一応先生に知らせた方がいいんじゃないか

と提案したが

もし自殺じゃなかったら迷惑かける

と拒否された

知らせれば道を外れたのがバレるから当然だ

私自身が見たわけではないからその男子が言わないなら私が言う事もないだろう

と次を急いだ

この後に山で転げ落ちるに至る

林間学校は転げ落ちただけで他は問題なく終わった

後日談になるが道から外れた男子が林間学校で見かけた男性を気にしていたのか調べた

調べたと言ってもオリエンテーション当日〜数日間の樹海付近の地方紙?を見ただけらしいが

オリエンテーションの翌日の地方紙に

樹海で自殺した人発見された事が書いてあったそうだ

身元がまだわからず服装などが書かれていてスーツの色や背格好は一致しているとのこと

もしあの時の男性だったなら先生に知らせていれば助かっていたのかも知れない…

と私達は後悔と罪悪感を感じていた

更に後日談

姉曰く

自殺をその場で止める事はその人を苦しめるだけ

だとか

自殺者は死ぬのが目的なわけでその場出来なければ他でやる

止めるには時間をかけて考えを変えさせるしかないよ

あんた達が先生に言ったところで結局はその人は自殺してたはず

保護されて何日も付きっきりで諭されてれば違うだろうけどそんな事警察だってしないでしょ

だそうだ

私達の気を楽にさせるための言葉なのはわからないけどこの言葉に救われたのは確かだ

怖い話投稿:ホラーテラー 塩昆布さん  

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