短編2
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Vという青年

最近こんなことを考えるようになった。人間にとって最高の生き方とは果たしてどのようなものか、と。

もちろんそんなことは個々人が決めることだし、絶対的な解答などありはしない、ということは重々承知の上だ。それでもやはり考えずにはいられないのが、俺の性なのかもしれない。要は真面目なんだろう。

ほんの少し前の話になるが、そんな俺の目の前に突如として現れ、そして多くの者たちを魅了した青年がいた。本名は名乗らなかったが、彼は自らを「V」と名乗った。そしてVは面白い人間だった。

彼は俺に様々なことを教えてくれた。例えば、世界には二種類の人間がいること、そしてもうひとつの世界が存在すること。トンデモ話も真っ青なオカルト、いやそれ未満に違いなかった。だけれど、その話はとてもよく筋が通っていて、作り話にしてはプロットがよく練られているように思えた。

Vの話すことは聞くに堪えないものばかりで、正直聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる。そう思いながらも、俺は面白おかしく聞いていた。わざと話の粗い部分を質問して、Vを困らせようとしたこともあった。

ちなみに彼の言っていることを要約すると、

・この世界には新しい人(ネオ)と古い人(オールド)が存在すること。

・新しい人は青い世界の人間で、古い人は赤いもう一つの世界の人間であること。俺たちの今住んでいる世界は青い世界の方らしい。

それに付け加えて、生物の体内時計がどうとか、それぞれの世界の自転周期がどうとか言っていたが、なにせ本気で聞いてなかったから、詳しくは覚えてない。

それにしてもすごい創造力だと思う、Vは。今では連絡取り合うこともないけど、作家にでもなれば成功しそうなのに。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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