姉の不思議〜生前の予知⑤〜

中編4
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姉の不思議〜生前の予知⑤〜

中1の頃の話し

中学に入学しバドミントン部に入った

始めての試合は先輩達の新人戦だった

人数足りないため1年生から3人を人数合わせで出す事になったのだ

市内の新人戦は私達の学校で行われた

関係ないが結果は市内ベスト4

先輩達の試合だがまずまずの結果だ

試合も終わり帰宅

荷物を家に置き

一緒に帰って来た友達を送る事にした

暗かったしその子の家は少し遠いから荷物くらいは乗せてあげようと思ったのだ

家を出る時

姉に「とりあえず友達になりなよ」

との助言が出された

意味不明である

何を断っちゃいけないのか

その子は既に友達だ

寧ろ小1からずっと一緒で親友だ

「意味わかんないし 待ってるから行ってくるね」

と深く聞かずに家を飛び出した

友達を家に送り

さてまた家に帰るか

と自転車の方向を変えた時

自転車と人影が目に入った

一瞬だったし気にしないで漕ぎ出したが

後を付けられているようだ

試しにスピードを上げてみる

人影もスピードを上げる

信号を無視して渡れば人影も無視して渡る

これはやばい

完全に付けられてる

このまま家に帰るべきか

家を知られたらもっとやばいのか?

思考をフルで回転させた結果

車通りのある道で停まった

人影も停まる

どうやら高校生のようだ

この制服は知っている

ちょっと頭のいい学校

でも私が頑張っても行けないであろう学校だ

「なんで逃げるの?」

そりゃ逃げるわ…

「オレ○○高校なんだけど」

制服見ればわかるし

「付き合ってくれない?」

は??? ってか話し繋がってないし

はい 喜んで

なんて言うわけない

「何処にですか?」

「は? そうじゃなくてお付き合いして下さいって事」

わかってますよ

わかってるけど…

「いや… 私中学生だから」

「知ってる 中学生と高校生でもおかしくないでしょ?付き合ってよ」

「無理です ってかうちの親そう言うの厳しいから無理」

相手の言葉聞かずに全力で逃げ帰った

家に転がり込むように入ると

「断ったの?友達になれっていったのに」

アレの事だったのか…

「ってかちゃんと言ってよ あれだけじゃわかんないし…」

「断ったならしかないよ 明日から大変かもね」

「何それ?意味わかんないって」

「さぁ 私もわかんない」

絶対わかってる

わかってる顔してる

翌日から高校生くんのストーキングが始まった

朝は踏み切りで待ち伏せ

帰りは正門前で待ち伏せ

何をするわけでも何を言うわけでもなくただ私を確認して自転車で去って行く

毎日正門にいれば話題にもなる

1週間が過ぎ職員の間でも話しが出始めたようだ

いつまで続くのか

何かされたらどうしよう

私は姉の助言を待つが何も言ってくれない

「あの高校生くんはどうすればいいの?」

仕方ない

言わないなら聞くしかない

「別に何もされないよ ただこのままだと来週に○○先生に通報されるんじゃない?」

「じゃぁ そのままにしといていいの?」

「だから友達になれって これを避けるためとかじゃなくて他に意味があるから」

当然他の意味は教えて貰えずだった

高校生くんには手紙を書き

翌日遅く家を出て誰にも見られないように渡した

“先日は失礼しました

突然でビックリしてしまって…

お互いを知らずにお付き合いは出来ないので友達としてよろしくお願いします“

的な内容だったかな

放課後正門に高校生くんはいなかった

手紙を渡してから数日後の放課後

高校生くんは正門に立っていた

「毎日いると怪しい人だと思われるから遅くなった」

と手紙を渡された

「とりあえず途中まで一緒に帰りますか?別々のがいいですか?」

「そっちがいいなら途中まで一緒に行く 家まで行ったりしないから安心して」

安心はしないけど…

それっきり二人は無言のまま歩く

途中お互いが分かれる交差点まで来て

「じゃ…」

と行って自転車で去って行った

家に帰って手紙を読んだ

名前やら自己紹介が書いてあり

“もう学校とかで待ったりしないから安心して

迷惑かけてごめん

友達としてこれからよろしくお願いします

返事くれるなら月曜の放課後交差点で…“

的な事が書いてあった

※ここから高校生くん改めて「まーくん」になります(仮名と言うか○○くん→まーくんです)

そしてまーくんとの友達としての文通が始まる

内容は覚えてないけど学校の事だったりテレビの事だったり

文通が半年程続いた頃

自然と交際が始まっていた

交際と行っても放課後に会う回数が増えたのと部活のない日に何処かに行くだけ

当日の中高生はそんなものだった(と思う)

まーくんと付き合い始めて変わった事が一つある

私に目をつけていた先輩達の嫌がらせや呼びだしがなくなった事だ

姉曰く

「まーくんと一緒にいる限り呼びだしはないよ 中学卒業までは大丈夫」

との事

何故まーくんといれば大丈夫なのか…

「私にも全くわかんない…まーくんの中学時代に何かあるんじゃない? 悪そうな顔してるしね」

この顔は本当にわからない顔だ

悪そうな顔ってのは当たってるけど…

付き合って数ヶ月

まーくんの事情を知って私も姉も納得した

(ここには書かないけどまーくんの中学時代は関係なかったです)

予断

「中学卒業までは大丈夫」

私は中学で目を付けられてたから卒業すれば大丈夫って意味だと思ってたけど違った

中学卒業後まーくんとの交際が終わったのだ

終わった理由は「まーくんの事情」に関係している

そして高1の夏休み前に友達としての付き合いも「まーくんの事情」で終わった

怖い話投稿:ホラーテラー 塩昆布さん  

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