中編4
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箱の中身

俺が住んでいる町内には多くの廃屋があった。

小学生の頃はよく友達と忍び込んでは「秘密基地だ」等と言って遊んでいたものだ。

中学生になってからは一度もその廃屋には行っていなかった。

そして住宅地の再開発だかで俺達の『秘密基地』は次々と取り壊されて言った。

そして俺は今高校生な訳なのだが地震の影響で高校が臨時休校中であり、とてつもなく暇だった。

それは友達も同じだったらしく、話してる内にその友達である雄(仮)と

『かつての秘密基地だった場所巡り』

をすることになった。

今日から三日前だから15日だったと思う。

雄と二人で秘密基地があったと思われる場所を巡ったのだが、流石は再開発。

当時の面影を全く残さない変貌ぶりだった。(なんか自分の町内なのに知らなかったのが恥ずかしいな)

雄「館林って家になっちゃってるな」

俺「こっちは坂田かよ」

雄「探検する?」

俺「犯罪だってのwww」

みたいな会話をしながら歩いてると、当時のままの廃屋がひとつだけ見つかった。

町内から外れたところで再開発の対象外になっていたようだ。

雄「秘密基地1号じゃん♪」

俺「そうだっけ?」

雄「ほら、あの変なファイルがいっぱいあった」

俺「あーあれか。狭くて結局使わなかったやつ」

雄「そーそー。なんか怖かったし」

俺「だよな・・・・・・なぁあのファイル、どんな事が書いてあるか今なら解るんじゃね。」

雄「・・・てことは探検?」

俺「やろうぜ?」

雄「よっしゃ!」

みたいな感じでその廃屋に突進した。

今から七年くらい前の記憶を頼りに、あの頃は開いていた窓に手を掛けるも全く開かない。

俺「地震で歪んだかな?」

雄「閉められただけだよ」

雨戸を試しに動かしてみるとすんなり開いた。

そしてその裏には窓などなく、中につながっていた。

中はファイルが床一面に散らばっていた。

別に地震のせいとかじゃなくて、元からこうなのだ。

雄「じゃあファイル見てみようぜ〜」

早速手に取って見てみるも

俺「ナニコレ、ロシア語?」

雄「だよね。ブラッディマ〇デイでみた」

ファイルには

『Льждчъкхячцърэ』

みたいな文字が踊っていた。

他にもたくさんあったファイルを覗いたんですが、名簿やなんかよくわからない間取り図みたいなのばかりでした。

ロシア語のは数冊だけでした。

俺「なんかつまんないな」

雄「やっぱあれがないからだろ。ビーダマン。いっつも秘密基地でやってたから」

俺「そういややってたな。持ってくるか?」

などと言ってると少し大きめの余震が来た。

震度は4くらいだったと思う。

何冊かのファイルが棚から落ち、床のファイルとぶつかってファイルの山が崩れた。

するとそこに積木の箱のような木箱が現れた。

雄「なにこれ?」

俺「触んない方がいいんじゃないか?」

雄「でもさぁ・・・・・・気になるだろ?」

俺「気にはなるけどさ」

雄「だろ?じゃあ開けようぜ」

箱の中には手の平サイズの正方形の石版みたいなものがギッチリ詰まっていた。

石版というよりはレンガ版と言った触り心地だったそれには、鳥居やら屋敷(?)やら鳥やらが彫られていた。

雄「ぉぉ〜なんかすげぇ・・・」

俺「なんか、すごいな」

雄「かなり価値があったりしてな」

俺「まさかそれは無いだろ」

雄「つか外だいぶ暗くなって来たな」

俺「そろそろ帰っか」

雄「だな。んじゃさ、お土産」

そういって俺の手に鳥居の彫られたレンガ版を持たせる。

俺「おいおい、まずいんじゃないか?」

雄「大丈夫大丈夫♪」

結局そのレンガ版を持ち帰りました。

雄とはそこでお開きになり、家に帰りました。

しかし帰り道で急にそのレンガ版が不気味に思えてきて、途中で下水道に投げ込んで帰ってきました。

次の日起きて部屋に行ってみると、机の上にそのレンガ版が置かれていました。

怖くなりまたそのレンガ版を窓から投げ捨て、家族に聞いても皆「わからない」とのこと。

雄に電話しても奴は捨てて無いらしく、何も起こっていないようだった。

その日、それ以外の事は無く、怖かった事は怖かったが気にしない事にして寝た。

さらに次の日、つまり昨日。

起きて真っ先に机の上を確認したがレンガ版は無かった。

ホッとして歩き出すと、足が何かを蹴飛ばしました。

見てみるとそこにはやはりレンガ版が。

えもいわれぬ恐怖(その時初めて感じた)からレンガ版を再び投げ捨て、雄の家に行った。

事情を説明すると雄も流石に不気味に思ったのか

雄「マジかよ・・・で、アレはどうした?」

俺「捨てたよ!あんなの!」

雄「じゃあ、俺もちょっと試してみるよ・・・」

という事で雄もレンガ版を手放し、一日経過を見ることにした。

そして今日。

雄からの電話で目を覚ました。

どうやら雄の所にもレンガ版は帰ってきたようだった。

俺のとこにもレンガ版は帰ってきていた。

今日は枕元に。

明日雄と二人でレンガ版をあの廃屋の箱に戻してくるつもりです。

それで収まればいいけれど。

なんか呪いとかじゃないですよね?

怖い話投稿:ホラーテラー 『新任教師』さん  

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