短編2
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鋏男

皆さんは、怖い夢ってどのくらいの頻度で見ますか?私は幼い頃から夢見が悪く怖い夢か意味のわからない夢が大半を締めていました。それは今でも変わりません。

今回はそんな私が見た怖い夢の話をします。

あれは学芸会が翌日に迫った日の事でした。微睡みの中の私は真夜中に一人で住宅街を歩いていました。

私の地元は少し田舎の方だった為か夢の中の住宅街には街灯がなく気味の悪い暗さ。そんな中をひたすら歩き続けていると、後ろからアスファルトを蹴る様な音が聞こえてきます。

私は何だろうと振り向くと、5メートル程先に長身の男が両手に伐採用鋏を持ってニタリと薄気味悪く笑うのです。

その薄気味悪さと、異様な雰囲気に私は慌てて逃げました。すると男も走ってきます。

タッタッタ

――タッタッタ

私は住宅街特有の複雑な道を走って、何とか男を巻き上げました。一軒家の柱の影に隠れて、私が様子を見ていると男がキョロキョロと辺りを見回していました。

そして何処かへ行ったので、私は胸をなで下ろします。

すると、ジャリッ。

砂利を踏む音が聞こえて、恐る恐る振り向くとそこには男がニヤリ笑いで立っていました。

私は震えながら走り出しました。

すると突然、耳元で酷く嫌らしいガラガラ声が息を吐きながら「次は逃がさない……」と、言うのです。

その刹那、私は目覚ましの音で目が覚めました。

ひどい寝汗でパジャマは背中にはりつき、鼓動は全力疾走した後の様に高鳴り呼吸もかなり乱れていました。

あれ以来、同じ夢はみていません。

この手の話は良く聞きますが

みなさんは、どうでしょう。

私は出来れば、続きを見たくないです。

見た時は……最期かもしれませんから。

以上紅の体験談でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 紅さん  

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