中編3
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真下をくぐり抜けた物体

今回の地震の揺れを体感し、過去にあった思い出が引き出されたので、投稿させていただきました。

あれはまだ私たち3人が、就職活動を始める前の学生生活を送っていた6月下旬、蒸し暑くなってきた時でした。

皆、下宿をしているため時間が空けば誰かの家でゲームをしたり、飲んだり、ゲームをしたり、食べたり、ゲームの勝敗で笑ったりキレたりして過ごしていました。

ここでよくある話ですが、一人がドライブに行こうと言い出し(Aとします)私もヒマだったので大いに賛成し、ドライバーのBを無理矢理引き連れ出発しました。

時刻は23時を回るところで、心霊スポットを巡るだとかそういう感じではありませんでした。

東海地方に住んでいたので、少し車で行けば有名な心霊スポットはたくさんあります。でも何となく、3人の心の内には「一線を踏み越えてはいけない」という気持ちがあった為か、山に向かってグングン走り出そうという事でまとまりました。(まとまったのかはよくわかりません)

国道1号線から外れ、20分ほど走ると山の中腹にたどり着きました。近くに日本絶景を臨むことのできる大きな山が連なっているため、比較的すぐたどり着くことができました。

ただ、周りはお茶畑とみかん(?)農園が広がるばかりで車のライトを消すと、漆黒の闇に飲み込まれてしまいそうな不気味さがあります

街の僅かな夜景を見れる場所で一服休憩をし皆で話していました

私「いやー楽しかった!さ、帰ろう」

A「いやいや、これからじゃん?グングン上を目指して行こう」

B「はぁ‥また車が傷付く‥ボソボソ」

てな感じで、いつものようにAの猪突猛進な意見でさらに上を目指すことに。後から聞いた話でBは、再出発して茶畑を抜け、竹やぶが生い茂る道に入った直後から耳鳴りがひどかったそうです(意見を日頃から言わない奴なのでこの時も黙っていたそうです)

竹やぶの道は舗装されておらず、ガタガタ道。おまけに左側は土砂崩れ後のような壁で右側は崖

Aのワイルドな運転に身を任せ、途中いきなりエンジンを切ったりして狭い車内で「ワッー!キャー!暗ィイイー!死ぬー!!ヒェエー!!」などと野郎3匹で叫び声をあげてバカしていました。

小さな川が見えた所でUターンできるスペースを見つけたので、一旦車を止め一服休憩と小便タイムを挟みました

車の車内灯以外は真っ暗闇で、私だけ川に近い場所で小便をしてたのですが、終わったあと振り返ると、雑草に隠れた水神様(?)のような祠を見つけました。

ギョッッ!?となり、一服もせず車に戻ると

2人も直ぐに戻ってきました

A「なんか耳が痛い。急に痛くなってきたから帰ろ」

B「‥‥‥」

嫌な雰囲気がしたので、すぐさま私がエンジンをかけ下山しようしたら

ガタンバタンバカン と

今までに聞いた事ない音が後ろの方から聞こえ、その瞬間に後部席のBが助手席のAにもたれ掛かる感じで寄り掛かってきました

B「浮いてる、後ろ浮いてる!」

その時の揺れは、まるで地震の縦揺れのようで、Bが後部席に戻ったと思うと今度は運転席と助手席が持ち上がり、車体が30度ほど上にあがりました。

車の下を何かが通り抜けていった感じで全員顔面蒼白

車体が戻ると同時に即座にエンジンをかけ下山しました。

無事、耳の痛みも治りアパートに戻ってから車体の後ろ部分を確認したら、がっつりと大きな石がぶつかったような痕跡がありました。

車を停めていた場所に大きな石などなかったし、細長い円の形をしたその跡は、私が見た祠に似ててものすごく不気味でした。

もうこんなドライブはしないと誓った21の夏

最後まで読んで頂きありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー お尻をペチンさん  

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