中編2
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赤い家

『赤い家』

当時23歳の私は、3流大学を卒業し中小企業に就職をしていた。

後にこの会社を退職するのだが、きっかけとなった出来事を聞いてほしい。

私の主な業務内容は、個人宅に訪問し、簡単なアンケートに答えてもらう。

後日、その内容をもとに商品の説明…

いわゆる『訪問販売』だ。

一応、まっとうな商品を扱ってはいるが、風当たりの強い業種。

仕事に慣れるのに多少、時間はかかった。

基本は門前払いで辛い思いも沢山したし、正直くじけそうになった。

でも商談を成功させた時の喜び、実力に直結した高額な給料に魅力を感じてた。

仕事にも慣れ、順調な日常を送るなか、私は『赤い家』に出逢う。

その日は、午前中に契約も頂け上機嫌だった。

民家もまばらな田舎道、ふと見上げた高台にポツンと佇む二階建ての家がある。

外壁が真っ赤に塗られ、屋根も赤いように見える。

地図には記載されていないようだ。

私は訪問販売での通説、上司の教えを思い出す。

「奇抜な塗装をしている家は丸い。」

『丸い』とは、性格に角がなく、凄く良い人を指す業界用語らしい。

実際、ピンクや明るいグリーン、蛍光色を外壁に塗装をしている人は9割近く良い人だった。

契約にも結びついている。

正直、理由はわからないが統計的に証明されているのだから行くしかない。

見るからに細い獣道、徒歩で行くことを決意し、私は胸を躍らせ『赤い家』に向かった。

山道を上ること30分。

少し薄暗くなってきた。

車も通れない辺鄙な所に家を建て、家主は徒歩で買い物に行き、毎日この道を往復してるのか…

フフッ良い人に違いない!

そんな勝手な妄想をしているうちに家が見えてきた。

近づくにつれ期待が不安に変わっていく。

その家は想像していた鮮やかな赤色ではなかった。

赤黒いのだ。

外壁、屋根、窓枠、全て赤黒く塗られている。

人の気配は無く窓は、紙のような物が内側から貼られている。

完全に外部からの接触を拒んでいるのだ。

私の中で「対象外」が確定したのだが、ここまでの労力を考え、チラシを入れて帰ることに。

更に近づいた時、不安が恐怖に変わる。

窓に貼られていたのは、大量な数の『お札』

1階、2階共に全ての窓が埋め尽くされている。

血の気が引き、汗ばんだ体が一気に冷え切った。

すいません。文字数制限の為、区切ります。

怖い話投稿:ホラーテラー ひなたんさん  

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