左四隅の机より少し経った頃の話。
―――――――――――――――
二つ目は、ウチと○○(姉)揃って経験した話なんけどな。
夜も遅くなって、ウチと○○はもう寝なさい親に言われて寝室に行った。
でもその日は○○と話が盛り上がって、夜中まで起きてたんよ。
で、お父さんの声とかは聞こえたし○○もウチも気にしないで喋り続けた。
ある程度喋ってじゃぁ寝ようかってなった時、時計見て0時過ぎたの確認した時、そう言えばと姉が話し出す。
「いつもならもう寝てるのにな」
「な、んーあれ、お母さんの声聞こえんなぁ」
「……なんか変やね」
「うん……」
なんとなく異様な空気になってウチも○○も黙って聞こえる声に耳を傾ける。
会話みたいな音とはまた違う、ただ声が聞こえるだけ。
しかも男の声だけ。
「なんかアンタの部屋から聞こえん?」
「う、うん……○○見てきて」
「いいけど……」
「でも置いてかないで」
怖い。とウチが言うと○○もウチだって怖い。と返してきた。一人になるのも怖いしウチと○○は一緒にウチの部屋に行く事を決めた。
恐る恐る部屋を開けた瞬間、耳が痛くなる程の大音量が聞こえてウチも○○も耳を塞ぐ。
ウチの部屋に大音量でラジオが流れていた。
部屋にあるコンポは普通、特定の作業をしなければラジオには切り替わらない仕組み。その上普段からコンポはあまり使わずその日も使ってなかった。
ウチらは恐々とラジオを切りコンセントを抜いて寝室に戻り
震えながら眠った。
翌朝、両親に聞いてみるとやっぱり寝ていて、コンポもいじってないしラジオの音も聞いてないらしい。
結局、あれはなんだったんだろう。
その後もラップ音は良くあったけど
机やコンポの話し以上に怖かった事はないし
こっちに引っ越してからは一切なくなったなぁ。
多分やけど、ウチの部屋になんか居たんかもしれん。
怖い話投稿:ホラーテラー 紅さん
作者怖話