てのあと (ある芸人の体験談)

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てのあと (ある芸人の体験談)

ある芸人さんの 実体験なのですが、ホラーテラーで すでに 発表済みでしたら すみません。

ある芸人が 休みの日に 3人集まり、ほんの遊び心で 心霊スポットに 肝試しに 行くことになった。

3人の芸人をA・B・Cとする。

夜も12時を過ぎ、Cの運転で、山の中の廃屋へと 向かう。

A、Bは 度胸持ち なのだが、Cだけは、どうも気が弱い上に 霊感が強いらしく、

今回の肝試しも、運転免許を持ってるのが Cだけだったから 無理矢理 引っ張ってこられた。

C「…ぉやめようよぅ…絶対 ロクなことないって…」

A「さっきから うるせぇな!もう ここまで きたんだから、ちょっと 現場を のぞいて行くだけだよ」

B「でるかな?一家心中だろ?現場は そのまま 残してあるんだってな?」

A・Bは 少し嬉しげで 期待満々に 見える。Cは 道中ずっと ガタガタ震えている。

山道を 進んでいくと、どんどん 民家は なくなり、奥へ奥へと 登ってくと 電灯すらない 真っ暗闇。

車のライトだけを 頼りに 進んでいくと、完全に 廃屋となった ボロボロの小屋が あった。

A「ここだろ!」

B「これしかねぇ。間違いない。よっしゃ降りるぞ。」

C「えーっ!!うそだろ?!見るだけだって言ったじゃないか!帰る!帰るよっ!」

Cは 真っ青で 汗びっしょりに なってる。

A「何 言ってんだ!ここまで来てんだぞ!中を見なくて どうすんだ。めったに 見られないぞ。」

B「中 見たら すぐ帰るって。」

C「絶対 だめだって!」

おびえまくるCを尻目に、AとBは 車を降りることにした。

A「?」

B「!、うん?、なんだこの!      …開かない!」

ドアが どうやっても開かない。

C「なんやってんだょ!ふざけけんなょ。かえっ帰るんだぁ」

バアン!!!!!!

突然の 窓を たたく音で 3人が ギョッとした。

バァンッ!

AでもBでも Cでもない。誰かが 窓をたたいた。

A「なっ、なんだよ?」

バアン!

B「誰っ?!」

AとBも これには ビビッた。

バンバン!バババン!

C「pぎゃあぁぁっ!」

Cが叫ぶが、窓をたたく音は どんどん多くなる。大きい音、必死に 叩いている音だった。

バン!バアン!バンバンバンバンバンバン!

窓に 手形が 付いていく。

A「でっろ!出ろ!Cっ!出せっくるま」

B「C―ッ!出せぇッて!」

幸い エンジンは かかったままだったので、助手席にいたBが ハンドブレーキを下ろし、ギアを「D」にした。

Cは ガタガタ震える足で なんとか アクセルを踏んだ。

急に 踏んだもんだから、ガクンと 大きく揺れたが なんとか その場を 立ち去ることができた。

バン!バン…

音は なくなっていった。

3人は 必死に 逃げた。

必死に走っていくと、薄い明かりが 見えてきた。

閉店後の商店街、街灯が灯ってる。

A「やっと 現実に帰ってこれたぞ…」

B「ひどい目にあったな…いや、無事に 帰ってこれたんだ…」

C「無事じゃないよっ!!!ゲホぅどうなってたと思うんだ!ゲホッ死ぬかと思ったよっ!びどいじゃなっ…か!」

Cは しばらくの間 混乱していたが、10分ほどすると、冷静な話が できるようになった。

A「悪かったよ…まさか こんなことに なるなんて、まさかだったよ」

B「…C ごめんな…あ、窓どうする…?」

窓には、手の跡がいっぱい ついていた。

大きい手に 小さい手…あの現場は 一家心中だと 聞いていたから 大人の手や 子供の手が あるのか…。

そう思ったが、これ以上 Cを追い詰める言動は 控えようと AもBも思った。

A「オレが 拭いてくるよ、C、立てないだろ? オレ 拭いてくる。」

C「…うん…ありがとう…」

Aは 車内にあった雑巾を持って外に出た。

Cは ボーッと前を見てる。

Aが Cの目の前の フロントガラスを拭いた。拭いた。

ボーッと 前を見ていたCから 涙が出てきた。

後部座席にいたBは、ルームミラーで Cの涙を見て、ホッとして 泣いていると思った。

泣いているCが ガタガタ 震え出すまで。

B「…どうしたんだよ C、もう 何もないよ。」

Bは 心配になって 声をかけるが、Cの震えは 止まらない。

C「…ぇない…」

B「はぁ?何?」

目の前のAも、驚いた顔で Cを見ている。

しかし Aが 見ているのは Cではなく フロントガラスだった。

C「きえない」

B「何?」

Aの手は フロントガラスを 拭いている。

泣きながら 震える声で

C「てのあと…きえない」

Bは、いや3人は 愕然とした。一気に 恐怖に 包まれる。

そう。手の跡が 付いていたのは 外ではなかったのだ。

Bが Cの表情を見た ルームミラーにも 小さい指の跡があったという。

怖い話投稿:ホラーテラー ろくさん  

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