昔、俺の友達に三郎と言う友達が居た。
そいつは太っていたので、皆から豚三郎と呼ばれていた。
これは俺達が高校生だった頃の話だ。
当時、俺達の間でオガ様と言う遊びが流行っていた。
そこで、俺、A、S、豚三郎、その他クラスの男子でオガ様をする事にした。
オガ様と言うのは所謂こっくりさんみたいなもので、生け贄を一人用意して、その生け贄を触媒にして霊と交信をするというものだった。
俺達はもちろん、豚三郎を生け贄にした。
豚三郎と供物を中心に俺達は円を組み、召喚の儀式を始めた。
「オガ様オガ様、降りてきて下さい。オギャサワラ召喚!オガァァァァァァァ!!」
「オガァァァァァァァ!!」
両腕を上に突き出し、全員で叫ぶ。
何も起こらない。
一瞬シラケた空気が漂ったが、次の瞬間、
豚「ウギャァァァァァァァ!オガ、オガ、おぎゃさわらぁああぁぁぁ!!」
突然、豚三郎が狂い始め、そばにあった供物を貪り始めた。
気付くと豚三郎の顔は通常の3倍以上に膨れ上がり、岩の様になっていた。
どうやら成功したようだ。
豚「我はオギャサワラなり。生け贄が足りない。オギャサワラ召喚!ガイアフォース」
豚三郎は近くの男子に向かってビームを放った。
「ギイヤァァァァァ!オガが入ってくるヤバイよヤバイよ」
男子の顔がみるみる膨れ上がり、ホームベースになっていく。
「ギギギ我もオギャサワラなり。グギギギギギ」
豚「グフフスネこれで貴様らもオギャサワラにしてやるぞ小僧グフフ」
A「ヤバイぞ、逃げろ」
教室はパニックになり、俺達は教室から飛び出した。
すると隣の教室から、ホームベース顔の集団が飛び出してきた。
「グヒヒヒ‥オギャサワラだよグフフスネスネスネ」
捕まった男子の顔が次々に膨れ上がり、ホームベースになっていく。
「キヤァァァァァ!オガになるぅぅぅピヤァァァァァ」
「顔が腫れていく、やめろやめろぉぉぉオガ、オガ、オガ」
「グフフ、私達がオギャサワラだよ。オギャサワラなんだよぉぉ!」
学校中がオガで埋め尽くされていく。
もうダメだと思ったその時、俺達の前に豚三郎が現れた。
豚「私がオギャサワラだぁぁぁ!!滅びの呪文デスアルテマ!!!」
次の瞬間にはいつもと変わらない放課後に戻っていた。
A「何が起こったんだ?」
俺「分からない」
S「夢だったのか?」
その日俺達は普通に下校した。
次の日学校に行くと、皆元に戻っていた。
豚三郎の顔はホームベースのままだった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話