短編2
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ある日の金縛り

数年前の話だが、俺はある日夜中にごろごろしていた。

ベッドの上でただ寝転がっているだけで、しばらくして眠くなってきた。

そろそろ寝るかな、と考えながら電気を消すために頭を動かしたんだ。

この時俺は仰向けで左側が壁、右側は電気の状態で頭だけ壁側を向いていた。

頭を右側に向けようとしたとき、ふと視界に黒い何かが映った気がした。本能的に「これはやばい!」と思い、俺は即座に頭をもとの壁側に向けたんだ。

そしたら急に体が動かなくなった。金縛りだと理解するのには時間はかからなかったが、これだけじゃなかった。

顔の右側に人の気配を感じた。もう至近距離で少し動かせば触れるくらいの距離に気配があったんだ。

その気配がなんなのかわからなかったが、突然大きな声で「あああああああああああああああ!」と叫ばれた。

叫び声は赤ん坊の泣き声にも聞き取れたし、猫の鳴き声にも聞き取れたし、二つが混ざり合ったような感じだった。

必死に体を動かそうとしても何一つ反応ないし、早く金縛り解けてくれ!と願うしかなかったんだ。

暫くして右腕が動いた。それと同時に叫び声はぴたりと止まり、気配も消えていた。

夢だったのかと思ったが、右耳に残った生々しい感覚が夢ではないと言っているようだった。

実体験なのでオチはないんだが、似たような体験は何度かしてる。叫び声だったり何か話しかけられたりとか、いずれも金縛りにあっている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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